「我々はみな首都圏の住人だ」との横断幕。新区建設の行方やいかに(写真:ロイター/アフロ)

 中国国営の「新華通信社」は4月1日付の記事で、「“中国共産党中央委員会”と中国政府“国務院”が、河北省に“国家級新区”の“雄安新区”を設立することを決定した」と報じた。このニュースは日本ではほとんど報じられなかったが、中国国内では国家的な重大決定事項であるとして大々的に報じられた。折しも4月1日は“愚人節(エイプリルフール)”当日で、その設立が何らの前触れもないまま突然に報じられたことから、中国国民は雄安新区の設立をエイプリルフールの嘘ネタかと半信半疑であったが、雄安新区は国務院によって批准された正真正銘の国家事業である。

19番目にして千年大計

 “国家級新区”とは、国務院の批准を経て設立される「国家の重大発展と改革開放戦略の任務を受け持つ総合機能区」を意味する。中国で最初に設立された国家級新区は1992年に国務院の批准を受けて設立された上海市“浦東新区”であった。2番目の国家級新区は、それから14年後の2006年に設立された天津市“濱海新区”であった。2010~2012年には4カ所の国家級新区(重慶市“両江新区”、浙江省“舟山群島新区”、甘粛省“蘭州新区”、広東省“広州市南沙新区”)が設立された。2014年以降は、2014年1月に陝西省“西咸新区”と貴州省“貴安新区”の2か所が国家級新区として設立されたのを皮切りに、2016年末までに山東省“青島市”、遼寧省“大連市”、四川省“成都市”など合計12カ所の国家級新区が設立された。従って、今回の雄安新区は19番目の国家級新区となる。

 雄安新区は国家級新区としては19番目だが、上述した新華社の記事は「これは“習近平”同志を核心とする中国共産党中央委員会が行った重大な歴史的戦略の選択であり、広東省の“深圳経済特区”と上海市の浦東新区の後を継ぎ、全国的な意義を持つ新区であり、“千年大計、国家大事”である」と述べている。すなわち、雄安新区は、国務院の批准を受けて1980年8月に設立された「深圳経済特区」、並びに1992年10月に設立された「上海浦東新区」と同等に位置付けられていることを示している。雄安新区の設立を国務院だけでなく、中国共産党中央委員会も批准していることが重要なポイントなのである。