中国では上述したような「“裸照”を担保に取る貸付」を“裸貸(裸ローン)”と呼ぶ。3月7日付で中国国営通信社の「新華社」が報じたところによれば、大学生向けのネット消費者金融の規模は2016年に800億元(約1兆2800億円)を突破し、さらに拡大する傾向にあるという。こうした大学生向けのネット消費者金融を“校園貸(キャンパスローン)”と呼ぶが、“校園貸”は借入がネット完結型で簡便であることが大きな魅力となっている。身分証番号、在学している大学名、学年、学生番号、学部などの個人情報を登録して、身分証や学生証の写真を示して検証し、署名した契約書の写真や動画を送信すれば、わずか10分足らずの時間で数千元から数万元のカネを借入れることができる。このため、“校園貸”はネット消費者金融の中で目覚ましい発展を遂げているのである。

2015年に始まり、各地に波及

 しかし、“車貸(自動車ローン)”なら“汽車(自動車)”を担保に取れるし、“房貸(住宅ローン)”なら“房産(家屋)”を担保に取れるが、大学生相手では担保に取るものがない。そこで悪質な消費者金融業者が女子大生を対象として考え出したのが“裸照(ヌード写真)”を担保に取る“裸貸(裸ローン)”であった。キャンパスローンの“裸貸”は2015年に中国南部から始まったとされるが、2016年には山東省、江蘇省、広東省、北京市、四川省などの各地に波及し、急速に全国的な存在となった。

 2016年11月30日には、消費者金融プラットフォームの“借貸宝”を経由して“裸貸”を利用した161人の女性たちの個人情報を記録した10ギガ(G)の圧縮データがネット上に流出する事件が発生し、“裸貸”は中国社会で改めて注目を集めることになった。161人中で本籍が流出した者は146人で、その内訳は14人の四川省が最多で、広東省(11人)、江蘇省(10人)がそれに続いた。また、年齢情報が流出したのは144人で、そこには1993~1997年生まれ(23~19歳)が91人含まれ、最年少は1999年生まれの17歳で4人含まれていた。また、学校情報が流出したのは28人であり、借入金額が流出したのは26人で、最高額は2.3万元(約37万円)、最低額は1000元(約1万6000円)だった。

 メディアの記者が“借貸宝”を運営する“九鼎集団”に連絡を取ったところ、先方の担当者は、「“借貸宝”は消費者金融の仲介を行っているだけで、金融実務は貸付人と借入人が個人的に行うP2P方式であり、我々は双方の貸し借りには介入しておらず、“裸貸”を行うような不良業者とは全く関係ない」と述べたという。

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