【8】父親の周さんは消費者金融業者から届いた催促メールを見て、初めて娘が借金取りに追われていることを知った。周さんは慌てて小周に連絡を取り、借金について問いただしたが、小周は言葉を濁し、カネを借りたと言うだけで、カネを何に使ったのかは口を閉ざしたままだった。愛する娘が困っている。仕方なく、周さんは虎の子の4万元(約64万円)を小周に手渡し、大至急借金を返済するよう言い聞かせた。

親や親戚、友人にヌード写真が届く

【9】ところが、文頭に述べたように、4月3日に全裸の小周が身分証を手にした“裸照(ヌード写真)”が周さんの携帯電話に送信されて来た。これを見て肝を潰した周さんは精神的に崩壊した。まさか娘にまだ借金があったなんて、周さんは考えたこともなかった。“裸照”は小周の“姑姑(父方のおば)”や“姨媽(母方のおば)”、大学のクラスメートたちにも届いていた。急きょ武漢市へ出向いた周さんは小周と会って彼女がはまった消費者金融の罠の全貌を聴取し、4月5日の午後に娘を伴って“武漢市公安局”の“東湖新技術開発区分局関南派出所”に事態を通報した。

【10】小周は今まで経験した事のない恥辱と後悔にさいなまれ、周さんに全てを告白した。借金の元本と利子の合計は26万元だが、父親の援助もあって、すでに16万元(約256万円)は返済済みで、残りの借金は10万元(約160万円)余りだが、その大部分は“裸照”を担保に取られている。かくも膨れ上がった借金の起因になったのは、最初に借入れた5000元であった。その後に借入れたカネを彼女はほとんど使っておらず、その大部分を借金の返済に充てていた。“裸照”付きのメールが大学のクラスメートたちにも届いたことから、小周は面子を失い、大学にいられなくなった。また、さらなる借金取りの出現を恐れて、小周は周さんと共に武漢市を離れ、現在は両親と共に上海市へ出稼ぎに行っている。なお、周さんによれば、彼には小周の他に9歳の息子がおり、上海市では夫婦2人でプラスチック工場の臨時工として働いているが、月収は2人合わせて6000元(約9万6000円)程なので、借金の残額10万元(約160万円)を返済することはどうやってみても不可能だという。

【11】楚天都市報の記者が“借貸(貸借)”、“借銭(借金)”などのキーワードでネット検索を行ってみると、非常に多くの消費者金融業者がヒットした。彼らの数社に微信やQQ、電話を通じて連絡してみると、ローンの月利は8~15%とまちまちであった。月利15%として1万元(約16万円)を借りると、毎月の支払い利息は1500元(約2万4000円)となるが、1か月目の利息は先払いが要求されるのだった。記者が小周にカネを貸した消費者金融業者たちに連絡を取ってみたところ、ある業者は小周など知らないと言って電話を切ったし、またある業者は返済催促業務を外部に委託しているので、もしかすると“裸照(ヌード写真)”を使って催促している可能性もあるかもしれないと答えた。

【12】小周は大学には行きたくないと言っていたが、大学側は小周に対する心理カウンセリングを継続しており、当面は休学扱いとして、一定時間が経過したら復学が可能なように配慮してくれている。周さんは小周を復学させるかどうかを思案中であるという。

【13】小周事件に関する弁護士の意見はどうなのか。湖北典恆弁護士事務所の“陳亮”弁護士は次のように述べている。すなわち、“裸照”を担保として行う貸付は、契約そのものが無効である。なおかつ、我が国の法律が認めているのは年利24%以内の貸借関係だけで、これを超えた部分は法律の保護を受けない。小周の借金は高利貸しに属するものであり、借金1件毎に小周が元本と年利24%の利息を支払っていれば、それ以上の利息を支払う必要はない。余分に支払った利息が36%以上であれば、民事訴訟を通じて返還を求めることができる。

次ページ 2015年に始まり、各地に波及