セクハラ告発が教授の辞任に発展した中国の名門・南京大学
(写真:Imaginechina/アフロ)

 2017年10月に米国女優のアリッサ・ミラノ(Alyssa Milano)がSNSの“Twitter(ツイッター)”を通じて、性的嫌がらせ(セクシャルハラスメント、略称:セクハラ)や性的暴行を受けたことのある女性たちに向けて“#Me Too(私も)”と声を上げようと呼びかけたのに端を発した“Me Too Movement”(以下「セクハラ告発運動」)は、今なお世界中で波紋を広げている。

 欧米諸国ではセクハラ告発運動が社会から認知される形で大きなうねりとなって男女格差の是正を加速しており、日本でも財務次官がセクハラ発言疑惑で辞任した。また、韓国でも女性による政治家や映画監督、俳優などに対するセクハラ告発が相次ぎ、俳優が自殺したり、知事や国会議員が辞任したりして、日本よりもさらに激しくセクハラ告発運動が盛り上がりを見せている。世界経済フォーラムが発表した2017年版ジェンダー・ギャップ指数では、144カ国中日本は114位、韓国118位とどちらも低く、両国ともに男尊女卑の空気がいまだに色濃い社会であることが伝わってくる。

 それでは、ジェンダー・ギャップ指数100位ながら、日本や韓国に比べて女性の社会進出が著しい印象のある中国におけるセクハラ告発運動はどうなのか。中国語で「セクハラ」を“性騒擾”、「セクハラ告発運動」を“反性騒擾運動”あるいは“我也是(Me Too)”と言う。セクハラ告発運動に触発されて行われた中国のセクハラ告発は、2018年1月1日に米国カリフォルニア州シリコンバレー在住の“羅茜茜”が行ったものだった。

 羅茜茜は2011年に“北京航空航天大学”の博士課程を修了したが、在学中に博士課程の副指導教官であった“陳小武”から激しいセクハラを受けたとし、陳小武は十数年間にわたって少なくとも7人の女子学生にセクハラを行い、そのうちの1人を妊娠させたと実名告発したのだった。この告発を受けて調査を行った北京航空航天大学は、1月11日にセクハラの事実を認定し、陳小武に対し大学院常務副院長の職を免じ、大学院指導教官資格と教員資格を取り消した。