開校120周年を迎えた北京大学。「独裁強権」に屈せず、その“背筋”を伸ばし続けることはできるのか(写真:Imaginechina/アフロ)

 香港紙「蘋果日報(Apple Daily)」は3月25日付で『北大三君子「犬儒となるのを拒絶」ネット上に文章を発表するが、即座に削除される』と題する記事を掲載した。“北大”とあるのは、“清華大学”と並んで中国の最高学府である“北京大学”を意味するが、同記事の内容を要約すると以下の通り。

【1】“習近平”は全国人民代表大会で順調に再任されたばかりか、任期の制限がなくなり、今後も再任が可能となったことで、習皇帝の位についた。北京大学“元培学院”の常務副院長である李沈簡は、3月22日に“戊戌変法”<注1>と北京大学開校の120周年に際して元校長の“蔡元培”を記念するとして、『“挺直脊梁拒做犬儒(背筋をまっすぐ伸ばして犬儒になるのを拒絶しよう)”』と題する文章を発表した。

<注1>清朝の光緒24年(1898年、戊戌の年)、時の皇帝“光緒帝”の全面的な支持の下で康有為、梁啓超などの変法派によって行われた政治改革運動。しかし、この運動は西太后を中心とする保守派のクーデター「戊戌の政変」によって100日余りで終結した。戊戌の変法が目指した改革の大部分は日の目を見ずに終わったが、唯一実現したのが西洋式大学を目指して1898年に創設された“京師大学堂”で、1912年に“北京大学”と改称された。

【2】この文章は3月22日の午後6時に、元培学院がメッセンジャーアプリ“微信(WeChat)”に持つ公式アカウント「大師直通車」に転載されたが、わずか40分後には「大師直通車」そのものが閉鎖された。同文章が発表されてすぐに李沈簡は辞職し、教養担当副院長の“張旭東”と院長の“鄂維南”も一緒に辞職した。学院の公式アカウント「大師直通車」は閉鎖を要求され、学院の教師が微信通話や電話などで学生に転載した文章の削除を要求した。