ロッテマート、次々と営業停止に(写真:Imaginechina/アフロ)

 3月6日、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile、 略称:THAAD)」が韓国の烏山基地に到着した。翌7日、米韓両軍は北朝鮮の弾道ミサイル攻撃に備えてTHAADの韓国配備を開始すると発表したが、当初予定していた年末までの配備を大幅に前倒しし、早ければ5~6月にも運用を開始するものと思われる。

中国人に人気の「楽天集団」だが

 THAADが配備されるのは韓国南東部の慶尚北道星州郡にあるゴルフ場「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」(以下「星州ゴルフ場」)の敷地である。その名からも分かるように星州ゴルフ場は、韓国第5位の財閥「ロッテグループ」(以下「ロッテG」)が所有していたが、2月28日にロッテGが韓国国防部との間で星州ゴルフ場と京畿道南揚州市にある国有地とを交換する契約に締結したことによりTHAADの配備が本格化することになった。昨年11月16日、両者は星州ゴルフ場と国有地を交換することで合意し、国防部は1月にも正式に契約を締結する積りだったが、THAAD配備に対する中国の反発が強かったためにロッテGの手続きが遅れ、2月末にずれ込んだのだった。

 11月16日にロッテGが国防部と土地交換で合意し、星州ゴルフ場がTHAAD配備地に確定したと報じられると、中国はロッテGを標的とするバッシング(叩き)を開始した。

 ロッテGは中国では“楽天集団”(略称:楽天)と呼ばれ、楽天は多くの中国国民にとって非常に身近な存在なのである。2017年の“春節(旧正月)”休暇(1月27日~2月2日)には615万人もの中国人観光客が韓国を訪れ、前年比7%増の史上最高を記録したが、彼らの多くが免税品を購入したのは“楽天免税店(ロッテ免税店)”であった。ある分析によれば、ロッテ免税店で中国人観光客が消費する金額は1日当たり6000万元(約9億9000万円)前後に上り、年間では219億元(約3614億円)という計算になる。