さて、2月14日付で中国の各メディアが「全国の裁判所が延べ615万人の航空券購入を規制」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

処罰範囲をさらに拡大

【1】2月14日に“最高人民法院(最高裁判所)”から入手した情報によれば、2013年に「信用喪失被執行人名簿データバンク」が開設されて以来、現在までに全国の裁判所が規制した老頼による航空券購入は延べ615万人、高速列車の乗車券は延べ222万人に上っている。<注1>

<注1>「規制」とはチケットを購入できなくすることを意味する。下記【3】で述べるインターネット捜査システムにより身分証明書番号を入力すると瞬時に当該人物がブラックリストに登録されている信用喪失被執行人に該当するか否かを調べることができる。

【2】2016年3月に最高人民法院院長の“周強”は、第12期全国人民代表大会第4回会議で「2~3年以内に執行困難を基本的に解決する」と言明したが、その言葉通り、2016年に全国の裁判所が受理した執行申請件数は529.2万件であったのに対し執行件数は507.9万件に達し、それぞれ前年比27.2%、33.1%の上昇を示し、執行件数は大幅に改善された。

【3】最高人民法院“執行局長”の“孟祥”は次のように述べた。

(1)執行困難の問題を解決するため、最高裁判所は2014年末に「本部対本部」の“網絡査控系統(インターネット捜査システム)”を開通させた。同システムはすでに3400以上の銀行および公安部、“交通部”、“国家工商行政管理総局”、“中国人民銀行”などの機関とネットワークを組み、被執行人の預金、車両、証券など14種類16項目の情報を全国範囲で捜査することが可能である。全国に3520か所ある裁判所は全てこのシステムを使うことができる。たとえば、甘粛省の裁判所の裁判官は彼の執務室に座って被執行人が河南省の“郷鎮銀行(田舎の銀行)”に持つ預金の状況を捜査することができる。これは過去には到底考えられないことだった。

(2)統計によれば、現在までのところ、全国の裁判所がインターネット捜査システムを利用して捜査した事件の総数は975万件で、凍結した金額は752億元(約1兆2400億円)、突き止めた車両は1427万台、証券は133億株、漁船・船舶は12.6万艘、インターネット銀行の預金は2.37億元(約39億円)であった。

(3)信用喪失被執行人名簿データバンクには、現在までに673万人が登録されている。昨年(2016年)12月末、最高人民法院と“公安部”、“中国民航信息網絡股份有限公司(中国民間航空情報ネット株式会社)”、“中国鉄路総公司(中国鉄道総公司)”は共同で、当事者の身分証明書とその他の証明書を照合することにより、信用喪失被執行人が各種身分証明書を提示して飛行機や列車のチケットを購入するのを徹底的に規制した。

(4)信用喪失被執行人に対する処罰範囲をさらに拡大するため、最高人民法院は“国家発展改革委員会”など44の機関や企業と備忘録を締結し、信用喪失被執行人に対する55項目からなる多面的な規制を実現した。現在までに、信用喪失した企業の法人代表や上級管理職は7.1万人に及んでいる。“中国工商銀行”1行だけでも信用喪失被執行人として融資申請やクレジットカード申し込みを拒否された人数は55万人に達し、関連する資金の総額は69.7億元(約1150億円)に上っている。

(5)裁判所は今までは積極的には行われていなかった国家機関や国家事業組織の従業員、最下層の人民代表、政治協商会議委員、党代表などを信用喪失被執行人名簿に登録しようとしている。また、一部の人々は信用喪失被執行人にされたことで、“開除(懲戒免職)”、“撤職(免職)”、“降級(降格)”などの処分を受け、関連する資格にも影響を受け、採用や昇格を取り消されたりしている。