「先ずコネを探す」

 日本と中国の社会制度は全く異なるために、上述した記事には理解できない部分があると思うが、全体の流れは理解できると思う。なお、第10項にある封建的迷信とは、“抽籤(おみくじを引く)”、“打卦(八卦を見る)”、“算命(運命を占う)”、“看相(人相や手相を見る)”、“看風水(風水を見る)”などを指し、社会主義国家である中国では封建社会の遺物として禁じられているものである。同じく第10項にある“冷漠囲観”とは、急病になった老人や交通事故の被害者などが路傍に倒れていても、関わり合いになるのを恐れて、救助しないまま遠巻きにして見ているだけの冷淡な態度を意味する。

 筆者が入社試験を受けたのは今から46年前の大学3年の時であったが、当時はまだ入社試験では会社の重役とのコネが重要な要素であると言われていた。このため筆記試験を通って最終面接に集まった学生たちは、それぞれ自分のコネは社長だ、副社長だと、コネがあることを誇らしげに披露して合格に自信を見せていた。全くコネを持たなかった筆者は、最終面接を終えて帰宅してから「何で自分にはコネがないのか」と父親を責めた記憶がある。最終的には、筆者は運良く第一志望の総合商社に入社できたから、実際にはコネの有無は合格者の選定には関係なかったのかも知れない。

 敢えて筆者の例を挙げたのは、上述した記事の中でコネが重要な要素となっていたためだが、中国社会を上手く渡って行くには、コネの有無が重要であり、コネがなければ何事も順調には進まないのは事実である。「何かしようと思ったら、先ずコネを探す」は、筆者も商社の駐在員として中国で働いていた時に金科玉条としていた活動方針だった。

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