不動産転売、海外ブランド、暗黙のルール…

7. 我々は“炒房団(不動産投資グループ)”を激しく非難しながら、一方ではあちこちで不動産を転売する機会を探している。
 “温州炒房団(浙江省“温州市”の不動産投資グループ)“はかつて不動産業界を叱咤して活性化したことがあった。それは大げさに言えば、「温州人がくしゃみをすると、全国の住宅価格が変動する」というものだった。彼らは巨額の資金で不動産市場をかく乱し、多くの都市で市民が「不動産投機行為を犯罪に認定しろ」と叫んだほどだった。このことからは、広範な市民が高い不動産価格に不満を持ち、不動産投資グループに対して心底から憤っていたことが見て取れる。しかし、一度我々の手にカネが残ると、居ても立っても居られずに“二手房(中古住宅)”の売買に手を出してカネを儲けようとし、甚だしくは数人でカネを出し合って共同で住宅を買って投資を行い、国民全体で不動産投資を行う姿勢が見られる。

8. 我々は“崇洋媚外(外国崇拝)”を軽蔑しながら、いつも外国ブランドを愛用している。
 我々は他人が外国の月は中国の月より丸いと自慢話をするのを聞くと、誰もが民族的自尊心から彼に軽蔑の眼差しを向ける。我々は他人が話す時にいつも英単語を入り交ぜるのを聞くと、依然として軽蔑の視線を投げかける。但し、振り返って、我々の一部の人の日常生活を見ると、買うものは全てかっこいい外国ブランドで、そうする事であたかも自身の身分が高いことを証明しているかのようだ。

9. 我々は“潜規則(暗黙のルール)”に憤りを感じながら、自分は暗黙のルールの受益者でありたいと望んでいる。
 この暗黙のルールが横行する時代と社会において、“良知(生まれながらにして持っている良識)”を有し、正義感を持つ人は誰もが内心の悲憤を抑制できない。しかし、誰が暗黙のルールを拒否することができようか。我々は暗黙のルールを心底憎んでいながら、自分が暗黙のルールの受益者であることを望んでおり、これが多くの人々を良心の分裂症患者にさせている。もし我々がある種の暗黙のルールに満足する日が遅かれ早かれ来るならば、我々はその他の暗黙のルールの受益者にもなれるのだ。

10. 我々は良くない価値観を非難しながら、価値観の実践者ではない。
 一夜大尽、戸籍差別<注3>、汚職腐敗、封建的迷信、拝金主義、“貪図享楽(享楽をむさぼる)”、“冷漠囲観(冷淡に野次馬見物する)”など、これらの良くない価値観は最新のニュースが報じられる度に人々の眼前に出現し、我々はそれらに非を鳴らして攻撃する。しかし、自分が主人公になると、ニュースの中の当事者がしたより上手く立ち回れるか分からない。その実、我々の社会は非常に絡み合っており、多くの人は道徳的に行動したいと望んではいるが、それを着実に行おうとすると、引け目を感じて良くない価値観に走らざるを得ないのである。

<注3>中国の戸籍は、農村部の農業戸籍と都市部の都市戸籍(正式名称は非農業戸籍)で構成されるが、都市戸籍の優位性から農業戸籍者は種々の面で差別を受けている。

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