環境汚染も影響?

 2016年11月2日、ニュースサイト「澎湃新聞」は、「過去20年来、中国の不妊率は急上昇し、専門家は環境汚染もその原因と言う」と題する記事を掲載したが、その概要は以下の通り。

【1】20年前の中国では出産適齢人口に占める不妊の平均発症率はわずか3%であったが、2011年末の時点では不妊の平均発症率は12%まで急上昇し、一部の地域では15%まで達した。この点について、“上海市第一婦嬰保健院”生殖医学センター主任の分析によれば、その主因は環境汚染であり、環境汚染が直接男性に影響を及ぼし、精液中に精子がいない「無精子症」や精子の数が非常に少ない「乏精子症」、あるいは精液中の精子の運動率が低い「精子無力症」などの患者が明らかに増大しているし、精子形成細胞の厳重な損傷や精子品質の低下が出現しているという。<注3>

<注3>中国の不妊問題については、2016年11月11日付の本リポート「出生率が世界最低だった2015年の中国」参照。

【2】上海市にある“復旦大学”附属産婦人科医院の副院長は、仕事の圧力が女性の不妊を引き起こす要因であると述べている。生活の圧力が日々強まるのにつれて、女性は普遍的に結婚や出産が遅くなる。年齢が高くなるほど出産能力に対する影響は大きくなり、卵巣機能は低下し、出産全般の機能が衰えることが不妊をもたらすのだという。

【3】喫煙飲酒、ダイエット、過度の肥満、夜更かしなど、現代人の生活方式が不妊を引き起こしている可能性が高い。しかし、中国のネットユーザーたちは、スモッグや食品の安全性、遺伝子組み換えなどの問題が環境汚染と相関することが原因だと信じようとしている。

 出産人口の減少、出生率の低下、出産適齢人口の出産意欲の低下、それに伴う1人目出生数の減少、不妊発症率の急上昇。これら全ては、人口の増大を図る中国にとってマイナスの要素であり、プラスの要素は見付からない。上述の表「異なる政策下の年度別出生人数予測」からも分かるように、“全面二孩”政策を実施する、しないにかかわらず、中国の出生人口は2018年をピークとして減少することが予想されており、2020年に突入する高齢社会とあいまって、今後の中国は人口危機に直面し、国内に大きな火種を抱えることになるのである。