2017年1月22日、中国政府「国家衛生・計画生育委員会」(以下「国家衛生計生委」)は次のように発表した。すなわち、“全面二孩”政策の実施により増加が期待された2016年の出生人口は1786万人で、2015年の出生人口1655万人より131万人増加した。出生率は2016年が12.95%となったのに対して2015年は12.07%であったから、0.88%上昇した。また、2016年に出生した2人目以上の子供の比率は出生人口の45%以上を占めた。
   これより3か月前の2015年10月30日、国家衛生計生委・副主任の“王培安”は“全面二孩”政策について説明する中で次のように述べた。すなわち、全国に“全面二孩”政策の条件に適合する夫婦は約9000万組あり、同政策実施後の数年中に、中国の出生人口の総数は一定程度増大することが見込まれる。出生人口が最高の年度には2000万人を超過することが予想され、2030年には全国の総人口は14.5億人に達するものと思われる。

「2023万人以上」のはずが…

 一方、王培安の編集で2016年5月に発行された書籍『“全面二孩”政策の実施による人口変動推計研究』には、“全面二孩”政策を実施しない場合と実施した場合に分けて、2017年から2012年までの5年間における出生人口の予測表が掲載されていたが、その内容は下表の通り。

 要するに、人口問題を主管する国家衛生計生委のNo.4である副主任の王培安が編集した研究書で予測したのは、“全面二孩”政策を実施した場合の出生人口は、2017年には2023.2万人~2195.1万人であった。ところが、実際には上述の通り2017年の出生人口は1723万人で、“全面二孩”政策を実施しない場合の予測である1770万人を47万人も下回ったのである。上表の予測とは別に、国家衛生計生委は2017年の出生人口をさらに多い2261万人と予測していたが、この数字は実際の1723万を538万人も上回っていた。