1月25日に動画が投稿された後、メディアの記者が一斉に北京市内の各医院を取材して、依然として横行するダフ屋の実態を報じた。あるダフ屋が記者に述べたところでは、一般の専門医の予約番号を取る手数料は300~500元(約6000~1万円)だが、知名度が高い専門医、たとえば中期・末期がんの治療を得意とする熟練医師の予約番号の場合は手数料が2500元(約5万円)になるという。その記者が当該医師の予約費用を医院に掲げられている価格表で確認したら、わずか500元(約1万円)だった。

ダフ屋を罰する法律なし、罰金は2万円以下

 1月25日に“北京市公安局”が発表したところによれば、事前の調査に基づき、広安門医院、“協和医院”、“宣武門医院”で合計12人のダフ屋を逮捕し、1月25日早朝には広安門医院で7人のダフ屋を逮捕、そのうち4人を拘留したという。しかしながら、中国には未だに、ダフ屋を処罰する法律がないのが実情である。刑法にはそれに相当する罪名がなく、適用可能なのは、“治安管理処罰法”第52条の第4項に規定されている「有価証券の転売」しかなく、その罰則は5~15日間の拘留と1000元(約2万円)以下の罰金でしかない。

 従い、ダフ屋で逮捕されたとしても、数日中には釈放され、同じ犯罪を繰り返すことになるのである。たとえ1000元の罰金を支払ったとしても、ダフ屋をやれば、それ以上の利益は容易に稼げる。

 投稿された若い女性の動画が新たに提起したダフ屋の問題だが、一時的な話題となっただけで終わらないことを期待したい。そのためには、ダフ屋を厳しく処罰する新たな法律の制定と、予約システムの改善が望まれる。患者は誰もが名医とよばれる専門医に診察してもらいたいと考えるのが人情だが、専門医の診察が必要とするか否かを、一般医師の診察結果によって判定する制度を確立すれば、専門医の診察を受けようと徹夜で予約受付待ちの行列に並ぶ必要はなくなるのではなかろうか。かつて日本のテレビでも報じられた、病気の子供を抱えて、早朝の冷気の中を予約受付待ちの行列に並ぶ親たちの悲壮な映像は、我々に日本に生まれて良かったと思わせると同時に、何とかならないものかと同情を誘うものだった。