さて、上記の報道から見えてくるのは、ダフ屋が医院側の警備員および予約受付窓口の職員と結託して金儲けをしているのではないかという疑惑である。女性は病気の母親に代わって診察を受けて薬をもらって帰ったのだと思うが、恐らく広安門医院は初めてだったに違いない。その事前の知識を何も持たない女性が、事件の一連の流れの中で直観したのが、ダフ屋と警備員および予約受付窓口の職員による癒着の構図だったのだろう。

医院発表は「販売に関与した行為はなかった」

 この指摘に対して、1月25日、広安門医院は院内で行った初歩的調査の結果として、今回の事件で警備員が予約番号の販売に関与した行為はなかったし、その証拠は見つからなかったと発表した。また、すでに警察が調査に介入しており、最終的な結論は警察の調査結果を待つ必要があると述べた上で、次のような声明を発表した。

【A】違法な人々による予約番号の販売は、患者の利益を損なうばかりか、医師の利益をも損ない、正常な医療秩序を混乱させる。我々は患者と同様に、こうした行為の根絶を願っており、ずっと“公安部門(警察部門)”と積極的に協力し、絶えず警備を増強し、巡回を継続して、ダフ屋に厳しい打撃を与え、患者が正常な医療を受ける権利を擁護したい。

【B】最大限度まで多数の患者が診察を受けられるように、広安門医院は院内の予約受付窓口のみならず、北京市医院予約システム、114予約システム、広安門医院独自のアプリ、“中国工商銀行”内のセルフ予約システムなど、各種多様なルートを通じて予約を受付け、予約番号取得の成功率を引き上げるべく努力している。

 この広安門医院の発表を鵜呑みにする人は少ない。医院にダフ屋がはびこっている問題は今に始まったことではなく、長年にわたって是正が叫ばれてきたものである。また、ダフ屋が予約番号を優先的に取得している事実は、医院内協力者の存在なくしては成り立たないからである。女性がダフ屋から電話で脅された一事を取っても、女性の電話番号が漏えいした経路は広安門医院の職員以外には考えられないのだ。この点について、広安門医院はどう説明するのだろうか。庶民の大多数は広安門医院の声明に疑義を呈している。

 広安門医院の内情に詳しい人によれば、周医師の予約は1日に10件であるのに対して、予約窓口は34個もあるので、問題の若い女性が窓口に周医師の予約を申し込んだ時には、すでに予約が一杯になっていたのだという。しかし、これでは彼女の後方に並んでいた人が周医師の予約を取得したことの説明がつかない。

次ページ ダフ屋を罰する法律なし、罰金は2万円以下