中国の廃プラスチック輸入禁止によって困惑しているのは日本だけではない。上海のニュースサイト「澎湃新聞(The Paper.cn)」は1月3日付で「中国の外国ゴミ輸入禁止に英国は打つ手なし。焼却もできず、処理能力もなし」と題する記事を報じた。その要点は以下の通り。

(1)英国の廃棄物処理コンサルティング企業である360 Environmentalの職員によれば、2017年に英国は中国へ26.4万トンの廃プラスチックを輸出した。これは英国の廃プラスチック輸出総量の1/3を上回っている。また、国際環境NGO「グリーンピース」によれば、英国は環境目標を満足させるための低コストによるゴミの回収処理を中国に依存しており、2012年以来、中国と⾹港へ累計270万トンの廃プラスチックを輸出して来ている。英国は四半期毎に7~8万トンの廃プラスチックを中国と香港へ輸出しているが、これが中国の輸入禁止で輸出できなくなると、他の市場はこれだけの廃プラスチックを受け入れることはできず、英国内の貯蔵能力はすぐに限界が来る。70カ所の英国地方都市政府を顧客とする廃棄物処理会社Suezの広報担当者は、「数十年来、英国の市場は廃棄物の再処理業務をアジアに振り向けて来た、しかし、現在我々はその道を封鎖されることになる」と述べた。

(2)英国の廃プラスチックにとって他に重要な輸出先はベトナムとインドであり、2016年にベトナムは英国から3.2万トンの廃プラスチックを輸入しており、インドも相当量を輸入している。但し、これらの市場もすぐに飽和状態になり、長期的に見れば、これらの国々も低品質の廃棄物の引き受けを拒否するようになるだろう。一方、英国国内では廃プラスチックの焼却は環境団体から激しい抗議を受ける。また、焼却が廃プラスチックの処理に一定の役割を果たすとしても、英国の全地域にゴミ焼却炉があるわけではなく、地域は限定される。現在、英国政府には廃プラスチックの処理に対する長期的な展望もなければ、中国の輸入禁止がもたらす短期的危機に対する解決策もないのが実情である。

 英国のみならず上述した中国の廃プラスチック輸入量ランキング上位の米国、タイ、ドイツなどの諸国も同様の問題に直面しているものと思われる。

大きな一歩、遅すぎた一歩

 2017年12月31日から執行された中国の外国ゴミ輸入禁止は、実質的には2018年の年明けから実施されたと言ってよいだろう。上述した廃プラスチックを含む4分類24種類の固体廃棄物の輸入を禁じたことにより、中国は従来輸入に頼っていた不足分を国内ゴミからの回収率の引き上げと再資源化効率の向上で解決しようとしている。このためには国内ゴミの分別回収を制度化し、国民のゴミ分別に対する意識を高めることが不可欠だが、ゴミのポイ捨てが未だに常習的に行われている現状では、一朝一夕にゴミ分別の徹底を図ることは困難だろう。

 各地方政府は中央政府から指示された行動日程に基づき、各地域住民にゴミ分別の徹底を促しているが、ゴミを分別して回収することがいかに自分たちの利益につながるかを全国民に理解させ、納得させなければ、尻すぼみの結果となる可能性は高い。中国政府が外国ゴミによる環境汚染の防止に一歩を踏み出したことは大きな前進と言えるが、その一歩が遅すぎた感を否めないのも事実である。