機密情報公開サイト「ウィキリークス」は、2010年に李克強にまつわる米国務省のメモを公開した。それは、まだ李克強が遼寧省のNo.1である“遼寧省党委員会書記”であった2007年3月12日に、当時北京市で開催中であった“両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)”に参加していた李克強は米国駐中国大使館の招待を受けて、同大使館内でランド大使(Clark. T. Randt, Jr.)と会食したというものであった。

「李克強指数」以外は参考まで

 この会食の席上で、遼寧省の経済状況に言及した李克強は、「中国のGDPは人為的に作られたもので、信憑性が低い。遼寧省の経済状況を把握するには、〔1〕電力消費量、〔2〕鉄道運輸量、〔3〕銀行融資総額の3項目に重点を置いて分析すれば、比較的正確な経済成長速度を算定することができる」と述べた上で、笑いながら「その他の数字、とりわけGDPのような統計データは参考でしかない」と言明したという。これを受けて、2012年12月9日付の英誌「エコノミスト」は、上記の内容を報じ、李克強が提起した3項目の数字を中国経済分析のための「李克強指数(Keqiang Index)」<注3>と命名した。

<注3>李克強のローマ字表記は“Li Keqiang”。

 一方、“中国共産党中央委員会”の機関紙「人民日報」は2016年12月8日付で国家統計局長の“寧吉喆”が寄稿した『法に基づき統計し、法に基づき統計を管理することを堅持し、統計データの真の正確性を確保する』と題する文章を掲載した。寧吉喆はこの文章の中で、統計データのねつ造について次のように述べている。

 『“中国共産党紀律処分条例”』は、“弄虚作假(ねつ造)”行為に対しては、直接責任者と指導責任者をその情状の程度に応じて、“警告”あるいは“留党察看(党籍保留のまま謹慎)”の処分を与えると規定している。総書記の習近平、国務院総理の李克強、同じく副総理の“張高麗”は、基礎データの質を高め、統計のねつ造を厳罰に処さねばならないと、幾度も指示を出している。それにもかかわらず、現在も一部の地方では統計のねつ造が時々発生している。これは統計法規違反の行為であり、党の思想路線に背き、最低限守るべき党規約に抵触している。