上記の記事からも分かるように、“官出数字, 数字出官”は長年にわたって培われた役人が出世するための奥義であり、非公開のものだったが、陳求発はこの事実を白日の下に晒したのだった。遼寧省の経済専門家によれば、遼寧省の一部の“県”や“区”は過去に経済データを少なくとも20~30%水増ししていた。瀋陽市周辺のある県では、2013年の財政収入は24億元(約400億円)であったが、“国家審計署”の検査後に修正した金額は11億元(約180億円)に満たなかった。また、2015年に“国家審計署”が発表した資料によれば、2013年に遼寧省“鞍山市”に属する“岫岩満族自治県”の財政収入は8.47億元(約140億円)であったが、これは大幅な水増しによるもので、実際の財政収入を127%も上回っていた。

順繰りの水増しで膨れ上がる

 この点について、腐敗に取り組む国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」アジア太平洋地区責任者の“寥然(Liao Ran)”は、次のように述べている。すなわち、中国大陸では、役人による統計データのねつ造は、中国共産党が政権を打ち立てた時から今日までずっと存続している。高い成長を示す経済データは政務上の業績である。要するに、役人は上部機関から与えられた目標値の達成を義務付けられ、目標値をどれだけ上回ることができるかで業績を評価され、昇進が促される仕組みになっている。

 そうであれば、「馬鹿正直に正確な数字を提出するより、適当に水増しした数字を上部組織に提出して、出世コースに乗るに越したことはない」と考えるのは世の常で、水増しが露見したら露見した時のことと腹をくくり、誰もがやっているから皆で渡れば怖くないと、各地・各階級の役人が数字の水増し競争に現(うつつ)を抜かすことになる。GDPや財政収入などの業績として考慮される数字が、末端の“鎮”・“郷”から“県”、“市”を経て“省”へ報告されるまでには、順繰りに水増しされて膨れ上がり、最終的なねつ造数字が形成されるのである。