さて、話は本題に入る。2017年1月17日、遼寧省の第12期人民代表大会第8回会議が省都“瀋陽市”の“遼寧人民会堂”で人民代表571人出席の下で開幕した。開幕直後に“遼寧省党委員会副書記”兼“遼寧省長”の“陳求発”が遼寧省政府を代表して「“省政府工作報告(業務報告)”」を行い、「2016年に遼寧省は多大な困難を克服し、財政収入は前年比3.4%増の2199億元(約3兆6720億円)を実現し、予算超過で目標を達成した」と述べた。

遼寧省、データねつ造を公式に発表

 2016年の財政収入は前年比3.4%増であったが、2014年の財政収入は前年比23%増であったから、両者を比較すれば財政収入の伸びは20%も減少したことになる。この点について、陳求発は「このような差異が生じたのは、過去に出現した問題による数字の食い違いを回避することができなかった」と述べた後に、2016年に“国家審計署(会計検査院)”が発行した報告書を引用して、「遼寧省の管轄下にある“市”および“県”には、2011年から2014年まで財政データのねつ造が普遍的に存在した。それは長期間にわたって継続し、関係する範囲も大きく、多種多様な手法が用いられていたなどの特色があった」と言明した。すなわち、陳求発は、2011年から2014年の4年間に“官出数字, 数字出官(役人が数字を作り、数字が役人を出世させる)”問題が存在し、経済データに“水分(水増し)”が加えられたことを遼寧省として初めて公式に確認したのだった。

 今から10年以上前の2005年8月28日付でニュースサイト「人民網(ネット)」が報じた「人民日報」編集員“夏長勇”の『人民時評:“官出数字, 数字出官”はいつ終わるのか』という記事には次のような記載がある。

【1】少し前にメディアが報じたところによれば、関係部門はすでに統計法改正指導グループを組織しており、統計法の改正作業は具体的な実施段階に入っている。統計法を改正したとしても、現在統計数字の水増し現象は絶えず深刻さを増している。

【2】“政績不够, 数字来凑, 官出数字, 数字出官(政務上の業績が不足なら、数字をかき集めれば良い。役人が数字を作り、数字が役人を出世させる)”。この有名な“順口溜(早口言葉)”は何年も前に流行したものだが、悲しいことに今日でもまだ時代遅れになっておらず、役人は数字をねつ造してさらに大きな官職を盗み取る。こうした事件は常に報じられるが、古い話であっても蒸し返して十分分析することが必要である。

【3】数字の水増しは個別の現象だろうか。そうは言えまい。今年(2005年)の年初、メディアが報じたニュースには驚かされた。2004年の各省・自治区・直轄市が中央政府に報告した通年のGDP(国民総生産)<注2>を取りまとめた数字は、“国家統計局”が発表したGDPの伸び率に比べて3.9%も高かった。この差は2兆6582億元(約44兆1260億円)だった。今年はすでに半分以上を経過したが、この方面の状況は改善されたのか。私は楽観していない。それは目下、“数字出官(数字が役人を出世させる)”という奥義を熟知している人は少数ではないからである。少なからぬ地方では、役人の上から下までが数字のねつ造に狂奔しており、それが出世への通行手形となっている。これは非公開の事実であり、多くの幹部たちはそれを見慣れてしまっている。

<注2>中国では一級行政区(省・自治区・直轄市)のGRP(域内総生産)をGDP(国内総生産)と呼び、それらを取りまとめたものを国家のGDPとして発表している。