2016年1月4日に李克強がボールペンの“球珠(ボール)すらも輸入に頼っている中国の情けない現状に苦言を呈してから1年後の2017年1月9日、上海市に本拠を置くニュースサイト「界面新聞(jiemian.com)」は「世界最大のボールペン生産国の中国が遂にボールペンのチップを生産可能に」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

待望の国産化成功

【1】1月9日、“太原鋼鉄(集団)有限公司”(以下「太鋼集団」の公式サイトは、山西衛星テレビの報道を引用する形で、「最早ボールペンのチップ市場が国外勢によって独占されることはない。大綱集団傘下の鉄鋼を主体とする子会社“山西太鋼不銹鋼(ステンレス)股份有限公司”(以下「大綱ステンレス」)は国産化による生産を実現した。

【2】この技術は実際には第12次5か年計画(2011~2015年)期間中に開発されていたが、大量生産ができていなかった。その後、技術改造と工程改良を経て製品性能の安定性を高め、昨年9月に社内検査をパスして正式に販売を開始した。太綱ステンレスの会長秘書室によれば、同社はボールペンのチップ用鋼材を生産可能にしただけでなく、線材を引き延ばして鋼線に加工できるので、筆記具製造工場で最終加工を行えば良いという。

【3】チップ用スチールの市場規模はさほど大きくなく、世界中で1000トン前後に過ぎず、中国市場はそのうちの約80%を占めている。「太鋼ステンレスは今まで数百トンを販売していた」と会長秘書室は述べたが、具体的な数字は表明しなかった。しかし、今や太綱ステンレスが新製品として市場へ参入したことにより、市場価格は下落を始めている。また、太綱ステンレスは国産のチップ用スチールを海外へ輸出することを検討している。

【4】山西衛星テレビの報道によれば、中国が海外から輸入するチップ用スチールの価格はトン当たり12万元(約200万円)だが、中国国内の価格はすでにトン当たり8万~9万元(約130万~150万円)まで下がっており、海外製品の独占を打ち破ったことで、輸入価格も引き下げを余儀なくされている。

次ページ 川下企業は?市場は?