中国農村に留守児童2300万人

 ニュースサイト“網易新聞”の“数読(Data Blog)”欄は2017年8月1日付で「中国に留守児童は2300万人」という記事を掲載した。その概要は以下の通り。

(1)最近、公益組織“上学路上(勉学途上)”は『2017年中国留守児童精神状況白書』を発表した。同白書によれば、中国の義務教育段階にある農村の小中学生総数を4000万人と推定して、父母の一方あるいは父母双方が出稼ぎに出ている農村学生の数を計算すると、中国の農村には合計2300万人の留守児童がいることになる。

(2)中国における留守児童の具体的な数は推計方式によって相違が大きい。2013年に“全国婦女聯合会”が、2010年に実施された“第六次人口普査(第6回国勢調査)”のデータに基づき推計した結果は、農村留守児童の総数は6103万人であった。2016年に政府の多部門が連合して展開した「農村留守児童徹底調査」による統計では、全国の16歳未満で、父母双方が出稼ぎにでている農村留守児童の数は902万人であった。

(3)同白書は全国17の省・直轄市・自治区の一部学生に対してアンケート調査を行ったもので、有効回答1万4868部中の82.8%が農村の学校から提出されたものだった。農村学生の中で父母双方が出稼ぎにでている“完全留守状態”にある学生の比率は26.1%を占め、これに父母の一方が出稼ぎに出ている学生を加えると、留守児童の比率は58.1%に達している。

(4)農村地区における完全留守児童の多くは年老いた祖父母の世話を受けたり、親戚に預けられたりして、家庭の温かみを感じることが難しい。10%以上の農村留守児童が1年に1度も父母に会えておらず、3.9%の父親、8.5%の母親がそれぞれ1年に1度も子供と連絡を取っていない。

 霧氷少年として一躍有名になった王福満とその姉の王福美には、昆明市へ出稼ぎに行っている父親しかいないが、母親は家を出たので、彼らは完全留守児童である。但し、彼らは決して特別な存在ではなく、上述した白書に基づけば、全国の農村地区には父母双方不在の完全留守児童が1000万人、父母の一方不在の留守児童が1300万人いる計算になる。こうした実情を勘案すれば、昭通市政府が王福満に対する寄付の受け入れ窓口を青年基金会に一本化し、集まった寄付金を王福満だけに限定せず、昭通市内の貧困学生のために使おうとするのは決して間違ったことではない。しかし、人々は感動を与えてくれた王福満のために寄付をするのであり、それは彼を含めた転山包小学校の全校生徒のために使われるべきである。そればかりか、人々は寄付に青年基金会のような公的組織が介在すると、寄付金額が大幅に目減りし、実際の受贈者には微々たる金額しか届かないことを過去の経験から知っている。だからこそ、人々は昭通市政府が出した通達に激しく反発したのだが、この決定が覆ることはないだろう。