俺じゃない。俺は絶対に大丈夫だ

ミツハシ:これと似たような、似ていないような相談がありますので、こちらも行きましょう。

 昭和の文豪たちの一挙一動を見てきた島地さんにご相談です。実は1年前にある作家先生と体の関係になりました。知り合って約8年、愛妻家の先生がまさか…という感じでしたが、私も今まで浮気の一つもできないタイプでしたので自身の行動にも驚いています。一回り以上年下の私に貪欲なる性の世界を知らしめてくれた先生。対等の立場で快楽を追求できるW不倫の共犯関係に舌鼓を打ちながらも、逢瀬を重ねるごとに「バレたらどうしよう…」と奥様の顔が脳裏をかすめ苦しくなってきています。性愛は2、3年で飽きがくると理解していますが、今まで培ってきた友好関係を崩したくありません。一線を越えてしまった私にご助言ください。
34歳・女性

シマジ:最初に断っておくが、これは俺じゃないぞ。

ミツハシ:分かってますって。出版の世界でシマジさんのことを妻一筋の愛妻家だと思っている者はいませんし、34歳の女性編集者からしたらシマジさんは一回りどころか三回り以上年上です。

シマジ:俺はどんなフルボディーの女性編集者が担当になってもピクリともしない。同じ会社の女に興味を持ったもこともない。生簀や釣り堀の魚を釣り上げることに何の興味もないんだ。というより、そういう近場の女をセックスの対象として見ること自体があり得ない。

ミツハシ:言い切りましたね。これを読んだ出版界のフルボディー肉食系の女の中に、そこまで言ったシマジさんを篭絡しようと思う人間が現れないとも限りませんから用心してください。

シマジ:絶対に大丈夫だ。俺は大丈夫だが、世の中の作家連中はそうでもない。作家と担当編集者の色恋というのは日常茶飯事だよ。そんな話はいくらでも知っている。