楽チン人生にピリオドを打つべきだ

ミツハシ:もし、相談者の親に介護が必要になったときに、実家暮らしを続けていて他に頼れる兄弟がいないとしたら、これは大変ですよね。

シマジ:自分の面倒だけでなく親の面倒を見ながら、仕事も続けて収入を確保できるのか。それはちゃんと考えておかなければいけないだろう。もちろん、介護の問題は、実家から独立しても、そして結婚して別の家庭を構えたとしてもついて回るが、両親も老夫婦二人きりの生活となれば、子供たちに迷惑をかけない方法を考えるようになる。結婚していれば夫の協力のもと、相談者が親の介護に時間を割くこともできるだろう。

ミツハシ:相談者のような30歳前後の独身女性で実家暮らしという人は少なくないですよね。でも、実家暮らしの気楽さや快適さというのは、考えてみると将来一人きりで親の介護する苦労とのトレードオフなんですね。

シマジ:以前から言っているが、俺の夢は「天職は無職です」と答えることだ。この無職男は親の莫大な遺産を受け継ぎ、家事全般は優秀なメイドがすべてやってくれ、毎日本を読みながら悠々と一人暮らしを謳歌しているんだ。だが、これが夢であるゆえんは、現実の親はなかなか都合のいい時期に莫大な遺産など遺して死んではくれず、莫大な遺産を受け継ぐような男はたいてい結婚してしまっていることにある。

 俺も相談者もそして「乗り移り」のすべての読者も、ままならない現実の世界を生きている。相談者はまずは楽チン人生にピリオドを打つべきだ。そして一人暮らしをして、一人の時間を慎みつつ愉しむ術を見つけるといい。一歩踏み出す時期だと思うね。

本記事は、 nikkei BPnet から転載したものです