とにかく女がいるところに父親を連れ出すんだ

ミツハシ:もし、相談者の父親がある程度料理ができるなら、別のネタで攻めるわけですね。

シマジ:そういうことだ。「オヤジの奴いつも家でゴロゴロしてばかりだろ。あれじゃあ70前に足腰が弱っちまうよ。俺がいいスポーツクラブを見つけるから、通うように言ってくれないか」とでも言えばいいだろう。

 大事なのは父親に第一歩を踏ませることだ。今までやってなかったことをやらせることだ。その際に、やはり女がいる場所に連れ出すのがいいと思うね。料理教室でもスポーツクラブでも趣味のサークルでも何でもいい。とにかく女がいるところに父親を連れ出すんだ。

 男というのは女がそばにいるだけでウキウキする。女と言葉を交わすだけで気持ちが高揚する。女を前にすれば男はいいところを見せようとする。着るモノひとつでも女たちのいるところに出かけるとなれば、少しはマシな恰好をしようとする。そのうちに好きな女ができれば、親しくなるために一緒に食事をし、酒を飲みたいと思うようになる。そのために必要となる金を稼ごうという意欲も湧く。

 これが大事なんだ。おばあちゃんの世話になって、一日の大半を家の中で過ごしていたら、父親はどんどん老けて小汚くなる一方だ。

ミツハシ:女が近くにいれば男はシャンとするというアドバイスはシマジさんが言うと説得力がありますね。

シマジ:相談者の父親が推測通りマザコンだとすると、放っておくと居心地のいいおばあちゃんの家に沈没して浮上できなくなる。だが、いくらマザコン男だといっても、やはり母親以外の女にも興味は抱く。母親とは違う女の匂いを嗅がせて、父親の男としての本能をもう一度目覚めさせてやらなくていけない。

 さて、そのときにいいのは40歳後半から50代前半くらいの女たちだろうな。できれば自分の仕事を持っている女がいい。亭主と離婚して自活している女たちだとなおいいね。そんな女たちがいるサークルやコミュニティーに61歳の独身男を連れていけば、ヒモや主夫要員として目をつけてくれる女が出てこないとも限らない。

ミツハシ:そんな都合のいい女がどこに集まっているんですか。

シマジ:それは俺もよく知らない。だが、このままでは相談者は将来、父親に寄生されてしまうかもしれないのだから、必死になって探すことだよ。父親が自分でおいしい料理をつくれるようなったり、頑丈で健康な肉体を手に入れたりすれば、それだけで親孝行だし、そのうえに好きな女までできれば、これ以上の親孝行はちょっと考えつかない。父親と相談者の双方に幸せをもたらすのだから、女たちが集まるサークルや教室を見つけてくれ。