一緒に暮らすうちに愛という熱病ゆえの誤解は解ける

ミツハシ:ははははは。みんなどれだけゴルフが好きなんですか?

シマジ:もう一つ行くぞ。

 モンタナ州の野生動物保護局は、州内の国立公園地域にあるすべてのゴルフコースに、以下のような警告の標識を立てている。

 「この地域でゴルフをする場合、ゴルファーは小さな鈴を身につけてプレーしてください。その音で熊に警告するためです。また、いきなり熊と出会った場合に備えて、唐辛子のスプレーを携帯することをお勧めします。ゴルファーはまたブラックベアとグリズリーを見分けられるよう努めてください。この二種類の危険度は全く違います。ゴルフ場に熊のフンがあると、その内容物でどちらの熊が落としていったものか分かります。ブラックベアのフンは小さめで、キイチゴの実やリスの毛皮などが含まれています。グリズリーのフンはそれより大きく、その中には鈴が入っていて唐辛子の匂いがします」

ミツハシ:ははは、こっちはもう命がけですね。

シマジ:ゴルファーの心理をよくあらわしているだろ。さて、そろそろ今週の相談に移るか。

 これは、結婚を焦らないほうがいいだろうな。心から魅力的だと思う相手と大恋愛の末に結婚したとしても、一緒に暮らすうちに愛という熱病ゆえの誤解は解け、冷静さを取り戻して相手の嫌なところが徐々に見えてくる。それはなにも相手の欠点とか性格の悪さといったことではなく、異なる環境で暮らしてきた男女が一緒に住めば、どうしても合わない部分というのが出てきてしまうんだ。それをお互いが努力して乗り越えていくのが結婚生活というものだよ。

 相談者の場合は既に一緒に暮らし、結婚生活の予行演習をしたようなものだ。その中で、相手に魅力を感じず、プロポーズされてもうれしくないと思ったのなら、これは結婚を止めておけというお告げだよ。まず一人で暮らしてみるべきだろう。一人できちんと生活するというのはそれほど簡単なことではない。経済的なこともそうだが、孤独とどう向き合うか、一人の時間をどう充実させるかというのも、人生において学んでおかなければいけない大切な課題だ。一人暮らしはきっと相談者を成長させてくれるはずだ。いずれ誰かと結婚して一緒の生活を営むうえでも、その前に自分で生活を成り立たせる経験をしておくべきだと思うね。

新しい世界に羽ばたくときには冷酷さも必要なんだよ

ミツハシ:一人暮らしが良い経験になるというシマジさんの意見には賛成ですが、彼の方がなかなか納得しないかもしれませんよ。彼からしてみれば現に同棲しているわけだから、相談者は当然結婚を承諾するものと思い込んでいる可能性が高いと思います。これは揉めるんじゃないでしょうか。

シマジ:少ない収入の中で暮らしていく手段として彼氏を利用したわけだからな。そのことは相談者自身も自覚しており、それだけに、彼のプロポーズを断り、彼との同棲を解消して一人暮らしをすることに後ろめたさも感じているのだろう。だが、新しい世界に羽ばたくときには冷酷さも必要なんだよ。

 自分の心に嘘をついて結婚をすると、その後が大変だ。相手にマイナスの感情を抱いたときや、二人の間にトラブルが生じたときに、必ず「ああ、あのとき自分の気持ちに正直に一人暮らしをするべきだった」と後悔することになる。その後悔は夫婦の隙間をどんどん広げていく。

 これまでのことに対して彼に丁重にお礼を言って、そのうえで、一人で暮らすことがどれほど自分にとって大事かをしっかり説明すべきだと思うね。相談者が一人暮らしをすることによって、彼氏の良い部分や素敵なところを改めて認識し、結婚に前向きになれるかもしれない。もっとも、正直に言うとその可能性はとても低く、相談者は一人暮らしを始めることによって、彼とは徐々に疎遠になっていき、新しい恋人を見つけることになると思うがね。

ミツハシ:なんだか相談者の彼氏が不憫になってきました。

シマジ:なに、彼だって好きな女と一緒に暮らせて、好きなときにセックスができたわけで、別に被害者というわけではない。