大好きな男たちと過ごす時間のほうが幸福を感じる

ミツハシ: 私だって、シマジさんに「10万円やるからなめさせろ」と言われても断固拒否します。

シマジ:ミツハシの貞操は随分安いな。

 だいぶ前の話だが、あるゲイバーのママに言い寄られたことがあるんだ。「ねえ、何をあげたらシマちゃんやらせてくれる?」と迫ってくるから、そう答えれば笑って「そんなの無理よ」と言うだろうと思って「そうだな、ポルシェかな」と返答したんだ。その場は笑い話で済んだんだが、後日、この店のチーママから電話があって「シマジさん、大変よ。さっきママがポルシェのセールスマンをお店に呼んで、いろいろ訊いてたわよ。会社の受付にポルシェの鍵を届けられたら、もう逃げられないからね」と言うんだよ。あれには焦った。すぐに店に駆けつけ「ママ、ゴメン。勘弁してくれ。その代わりに、これからもずっと通い続けるから」と頭を下げてことなきを得た。

ミツハシ: あれ、シマジさんは昔ポルシェに乗っていたと聞きましたが。

シマジ:ミツハシ、さっきの10万円返してもらおうか。

 俺は精神的には間違いなくホモだと思っているんだ。素敵な男に会うとすぐに仲良くなりたいと思うし、女と過ごす時間よりも大好きな男たちと過ごす時間のほうが幸福を感じる。だが、男の骨格がダメなんだ。あのゴツゴツした肉体はどうしても美しいと思えない。

ミツハシ: ミケランジェロのダビデ像なんかも?

シマジ:どれだけ均整が取れていようが、男の肉体にエロさは感じられない。ダビデ像なんか全然魅力を感じないね。

ミツハシ: 話を元に戻しましょうか。

シマジ:浮気は絶対にバレてはいけない。父親とオスの「二重生活」を夢想する相談者だが、キミは既にそれが困難であることに気づいているはずだ。相手の女性が本気なのは間違いない。こういうときはズルズルと結論を引き延ばし、いいとこ取りをしようとすればきっと痛い目に遭う。誠意を持ってきちんと別れるべきだな。人生にはそういうときもある。

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