
「破壊的イノベーション」は既存組織では育たない
前回の連載で私たちは、破壊的イノベーションによる製品・サービスは、シンプルで使い勝手が良いため、新しい顧客やそれほど要求が厳しくない顧客にはアピールするのですが、既存製品・サービスの主要顧客には見向きもされず、オモチャ呼ばわりされ、「そんなものは要らない」と拒否されてしまうということを学びました。
そして、既存企業は、既存企業や株主が満足するような市場の上方向(利益率が高まる方向)には上がれる(持続的イノベーションは出来る)が、市場の下(利益率が下がる方向)には降りられない「非対称的モチベーション」という特性を持っています。このため、既存顧客が求めていない、利益率が低く破壊的なビジネスモデルのアイデアを既存組織内で育てようとしても、必要とする資源が割り振られず、また仕事のプロセスや価値基準も違うため、まずうまく行かないということも学びました。
ですから、企業が本気で「破壊的イノベーションを起こしたい」と願うのであれば、かけ声だけでなく、破壊的イノベーションを起こすために最適化された、「新しい組織」を別途創り出す必要があるのです。
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