小さく産んで、大きく育てる

■試験項目⑨今後1年間に必要な投資は?
[平均以上(0点)/平均的(5点)/平均以下(10点)]

 試験項目⑧でも述べたように、破壊的イノベーションのビジネスモデルの場合、市場機会の探索とそれに合わせた製品やサービスの変更がしばしば起きます。当初のビジネスモデルに基づいて大きな投資をして、その後、それが誤りだとわかった場合、取り返しがつきません。ですから、破壊的イノベーションのビジネスモデルは、「小さく産んで、大きく育てる」気持ちで臨むことが大切です。

 例えば、時間貸しの駐車場を運営しているパーク24では、2009年から自動車の時間貸しサービス(カーシェア)「タイムズ カー プラス」を始めています。ユーザーの85%は、これまで自動車を保有していなかった方々ですので、新市場型の破壊的イノベーションと言えます。カーシェアリングのビジネスに参入している企業はいくつかあるのですが、パーク24が他社より有利なのは、すでに全国に駐車場を保有しており、カーシェアリングのビジネスを始めるに当たって必要とされる車庫の確保のためのコストが少なくて済む点です。これは素早く全国にビジネスを展開するうえでも、他社に対する大きなアドバンテージとなっているそうです。

 いかがでしたか、今回の連載もお楽しみいただけましたでしょうか? 次回は、これまでに学んできたことを一つの図にまとめ、事業参入の可否を評価するやり方を学びます。

講演「イノベーションをめぐる3つの誤解」のおしらせ
 関西近辺にお住まいの読者の皆さんにお知らせがあります。
 来る10月8日(土曜日)13時から、関西学院大学 大阪梅田キャンパスにて「イノベーションをめぐる3つの誤解」と題した私の講演と、関学ビジネススクールの入試説明会を開催させていただくことになりました。参加のための事前登録は不要です。もちろん、講演だけのご参加でも大歓迎ですので、ふるってのご来場をお待ちしております。

【問い合わせ先】 関西学院大学経営戦略研究科  TEL 0798-54-6572
【案内ページ】http://www.kwansei-ac.jp/iba/news/iba/2016/10/post-268.html
著書の紹介

 これまでの連載を復習したい方や、今後の連載について予習をなさりたい方は、拙著『日本のイノベーションのジレンマ 破壊的イノベーターになるための7つのステップ』(税込2,160円、翔泳社)が発売中です。

 よろしければ是非、読んでみて下さい。