破壊的アイデアを選ぶ手順
①ブレインストーミングで産み出されたアイデアを、あたかも企業が人を採用するときのように「アイデア・レジュメ」にまとめる

②「適性チェックリスト」(後述)に照らし合わせてアイデアをふるいにかける(アイデア・スクリーニング)

③アイデアの「破壊度」を採点して計測する

④「破壊度」と「自社での実現可能性」、「見込まれる長期的な利益」、「その判断に対する確信度」を一枚の図にマッピングして取り組むべきアイデアを評価し、選び出す

(出典:『イノベーションへの解 実践編』 スコット・アンソニーほか著 翔泳社)

12の質問項目を使って、アイデアをチェック

 アイデア・レジュメができたら、次は各アイデアとの「面接」の時間です。1次面接でチェックすべき質問12個のうち、今回は6つを学びましょう。この段階では、イノベーションのアイデアが持続的か破壊的かという点にはとらわれず、ビジネスモデルとして優れているかどうかという観点から「1次面接」を行います。

 なお、以下の質問の中で頻繁に出てくる「用事」という用語は、クリステンセン教授が提唱する重要概念で、「解決すべき問題」といった意味あいです。クリステンセン教授の著書から、この用語の使用例を抜書きしてみましょう。

 顧客(個人や企業)の生活にはさまざまな「用事」がしょっちゅう発生し、彼らはとにかくそれを片づけなくてはならない。顧客は用事を片づけなければならないことに気づくと、その用事を片づけるために「雇える」製品やサービスがないものかと探し回る。顧客は実際、こんな風に暮らしているのだ。

(出典:『イノベーションへの解』 クレイトン・クリステンセン著 翔泳社)

 こうしたことを踏まえて、これから一つひとつの質問の意味と、なぜその質問が重要なのかについて、順にご説明していきましょう。

その機能は多くの顧客にとって重要か

■質問①:見出された「用事」がターゲットとする顧客にとって重要か?

 この質問は一見、答えが「イエス」で当然な質問に見えるかもしれません。しかし、既存製品の機能改良や機能追加を主眼に開発を進めていると、いつのまにかこの大切な問いかけがおろそかになったまま、これまでの延長線上でルーチン的に開発が進められてしまい、気づくとこの質問に対する答えが「ノー」となってしまう製品やサービスを産み出してしまうことがあるのです。

 新たな機能の追加によって解決できるようになる「用事」が、多くの顧客に取ってそれほど重要でなければ、当然、顧客が新しい商品やサービスを採用してくれる可能性は低くなるでしょう。

 例えば、某社が以前に発売していた洗濯機には、スマホ対応機能が追加されていました。製品購入後に新たに売り出された洗剤や柔軟剤を洗濯機にどの程度投入すべきかについての情報を、スマホ経由で確認し、洗濯機に転送できる機能がついていたのです。