「dスクール」でもブレストのツールはアナログ

 例えばシリコンバレーの中心に位置し、ヒューレット・パッカードやヤフー、グーグルなどを産んだスタンフォード大学にある、学科横断型プログラム「dスクール」──。イノベーティブなアイデアの創出法を教えるこの世界最高峰のデザインスクールで行われるブレインストーミングは、さぞやハイテク機器満載の環境にちがいないと多くの人は想像するでしょう。

 しかし、実際に訪れてみるとイノベーティブなアイデアを生み出すブレインストーミングで、コンピュータやタブレット端末はほとんど使われていません。

 以下に掲載する写真をご覧いただければお判りの通り、「dスクール」においても、ブレインストーミングに使われるのは、アナログなホワイトボード、大きなメモ帳、ポストイット、サインペンなどです。

スタンフォード大学の「dスクール」でブレインストーミングに使われている道具

 このことが示すのは、現時点ではまだ、人間が生み出すアイデアの奔流に自由についていけるほど、デジタルデバイスが成熟していないということでしょう。何でもIT化、デジタル化し、バーチャルな世界で済ませた方が良い結果につながるわけではないようです。

ブレインストーミングのための小技

 ブレインストーミングのセッションで生まれた100個以上のアイデアをきちんと記録するのは、アイデアを方向付け、体系化していく上で非常に重要です。

 最もシンプルな記録の取り方の一つが、すべてのアイデアに番号を振っておくことです。コンセプトに基づいてアイデアを組み立てるとき、簡単に参照するための工夫です。

 小道具の利用も新しい連想を促し洞察を得る上で有効です。ブロックや粘土、ボールやチューブのようなシンプルな小道具は、セッションでの対話のキャッチボールや、実り多いアイデアが出そうな雰囲気を生み出すのに役立ちます。また、小道具はアイデアを立体的に可視化する上でも活用できます。テープやホッチキスやねじりひもなどを使って、急ごしらえのプロトタイプ(試作品)を作ってみるのも有効でしょう。

「dスクール」におけるラピッド・プロトタイピング(スピーディな製品試作)のための素材