「ワイルドなアイデア」も、テーマの範囲内であるからこそ有益であることを意識しましょう。もっとも、ワイルドなアイデアとテーマからの逸脱とを区別する明確なルールはありません。このため、ファシリテーターは、逸脱かそうでないかの違いをあまり厳格に管理し過ぎるべきではありません。今日、テーマからそれたことが、明日には素晴らしいアイデアへと変貌するかもしれないからです。

何が議論されているのかを全員がわかるように

⑦可視化する

 ブレインストーミングにおいては、今、何が議論されているのかを参加者の誰もが分かるようにしておく必要があります。そのための現時点における最適なツールは、ホワイトボード(机の上に置いた白い模造紙でも可)とサインペンとポストイットです。

 セッションを通じて出てきたすべてのアイデアを可視化し、メンバーが共有する上で「書記」の果たす役割は重要です。アイデアが沢山出るブレインストーミングでは、書記が二人必要なこともあるでしょう。

ブレインストーミングにおいては、今、何が議論されているのかを参加者の誰もが分かるようにしておく必要がある

 アイデアをメンバーが共有するためには、できるだけ少ない単語でアイデアを明確に記述する必要があります。簡単なイラストもコミュニケーションの速度と効率を向上させます。大切なのは、可視化することでアイデアの流量を増やすことです。

 出てきたアイデア同士が関連付けられる場合、アイデアを分野ごとに分ける(クラスタリングする)のも有効です。矢印でアイデアが出てきた順番を明示してもいいでしょう。アイデアが活発に出るように、部屋中にポストイットを貼り付けることも有効でしょう。こうすることでメンバーの理解度を深めるのです。

広めのスペースを用意すべし

 典型的なブレインストーミングでは、ホワイトボードが数回は埋め尽くされるので、広めのスペースを用意すべきです。四方の壁が床から天井まですべてホワイトボードになっている、ブレインストーミングの「集中訓練」ルームがあれば最も望ましいでしょう。

スタンフォード大学のバイオデザインプログラムにある、壁中がホワイトボードになっている部屋

 とは言え、専用に設計された部屋が必須なわけではありません。生産的なブレインストーミングのセッションは、大きな紙とポストイットとサインペンがあればどんな場所でも実施可能です。

 ただし、セッションを始める前に、スペースの広さが適切かどうかについてや、ホワイトボード、ポストイット、その他のツールがきちんと機能するかなどについて確認しておく必要があります。もしこれらがきちんと機能しないことがわかれば、セッションを中断し、違うやり方を試した方がいいでしょう。