企業の価値は「4つの価値」を合計したもの

 企業の価値は──

 ①その会社が現在の経営方針をそのまま継続する前提で計算される「スタンドアローンの価値」に、

 ②その企業を買収した会社が、買収した企業をそれまでとは異なる経営方針で経営した場合に、実現される製品・サービス価格の向上や売上の増大などから得られる「収益シナジー」と、

 ③買収した企業との間で生産・物流・販売拠点やITシステムといった経営資源やノウハウの共有・統廃合がもたらす効率改善や、調達コスト削減などによる「コストシナジー」を加え、

 ④破壊的ビジネスモデル買収の場合には、そのビジネスを手に入れることによって自社が破壊されるリスクを避けられることになる「戦略オプションの価値」も加えた──
 上記4つの価値の合計と考えられます。

高値づかみを防ぐには?

 買収をするうえでまず前提となるのは、買収価格を決める際の土台となる「スタンドアローンの価値」が、計算で求められる企業の「理論的価値」から見て妥当であることです。

 そのうえで、持続的買収の場合にはスタンドアローンの価値に収益シナジーとコストシナジーを加味して買収の是非を判断することになるでしょう。

 さらに、破壊的買収の場合には、買収先企業のスタンドアローンの価値に、戦略オプションの価値をプラスし、さらに、もしあるとすれば収益シナジーやコストシナジーをも加味してその価値を判断することになるでしょう。

 いずれにせよ、「買収価格」がこれら「すべての価値の合計」未満でなければ、その企業を買収する意味はないでしょう。