3番目のハードル、「妥当な条件で買収契約を結ぶ」

 これらの破壊的買収のハードルのうち、①資源を買う「持続的買収」なのかビジネスモデルを買う「破壊的買収」なのかを明確にする(※参考 2017年2月28日配信記事)と、②買収先企業の価値を正確に見極める(※参考 2017年3月29日配信記事)については、既に学びました。

 次に私達を待ち受けるハードルは──
 「ハードル3. 妥当な条件で買収契約を結ぶ」
 です。

 せっかくよいビジネスモデルを持った企業を見つけても、その企業が買収後にもたらす価値よりも高い値段で買収したのでは意味がありません。

“高値づかみ”は、命とりになる。(画像:iStock.com/peshkov)

東芝がはまった「罠」

 例えば、連結従業員数約19万人、連結売上高5兆7千億円という日本有数の大企業、東芝の屋台骨を根幹から揺るがす原因となった、米ウエスチングハウス買収をめぐる入札で、「三菱重工業と競り合っていた東芝は、三菱重工業の首脳が『考えられない』というレベルにまで値を吊り上げた」そうです(参考「東芝元社員の告白『あの会社の裏切りがなければ』東芝ウエスチングハウス買収 知られざる内幕」大西康之/文春オンライン)。

 仮に東日本大震災が起きず、かつ、トランプ政権誕生によって地球温暖化対策の勢いが削がれずに、引き続き原発ビジネスに大きな将来性と成長が期待できていたとしても、それらによって期待できる価値以上の価格で東芝がウエスチングハウスの買収を行ってしまっていたとすれば、やはりそれは高値づかみのそしりを免れ得ないでしょう。