(日経ビジネス2017年12月18日号より転載)

 創業は正保2年(1645年)、千葉の銚子でしょうゆづくりを始めて372年になります。おいしいしょうゆをお届けすることを何より大事にしていますが、ただ「守る」だけでは時代の変化に対応できません。長く続けるとは、つまり変化に対応し続けること。それが“しぶとさ”の源泉です。

 私が12代目の社長になった34年前、しょうゆの出荷量は日本全体で約120万キロリットルほどありましたが、今や78万キロリットルを割り、私どもの売上高に占めるしょうゆの割合も7割から3割ほどに。そんな厳しい環境でも業績を伸ばし続けてこられたのは、しょうゆをベースにしたユニークな商品のおかげです。

 例えば「昆布つゆ」。だしと言えばかつおだしが主役とされていた中で、昆布から取っただしのまろやかさに着目して商品化しました。今でこそ、めんの汁、鍋、煮物などに幅広く使える加工調味料として定番となりましたが、実は取引先から「売れそうにない。売り場がない。やめておいた方がいい」とダメ出しをされながらの発売でした。

 「鮮度の一滴」は鮮度保持機能が高い新型のパッケージで“新鮮な赤いしょうゆ”をお届けする商品です。しょうゆは瓶で2年、ペットボトルで1年半と長期間にわたって食していただけるものですから、そこに鮮度をアピールする商品を投入して受け入れられるだろうか。正直不安もありましたが、鮮度保持容器入りのしょうゆは今や多くのご家庭、飲食店のテーブルに置いていただいています。