こんにちは、シリコンバレー支局の市嶋です。
 私事ですが、この前の日曜日に新型コロナウイルスのワクチンを接種してきました。私が住んでいるシリコンバレーとサンフランシスコをあわせたベイエリアの多くの自治体が、50歳以上の住民に案内を始めました。
 私も、その名もMy Turn(私の順番)というカリフォルニア州が提供するワクチン接種の申し込みサイトで4月3日に試みたところ、首尾良く翌日の予約がとれました。それも1回で済む米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチン。話題性もあるし、早く免疫を獲得できるのではと思い、予約を完了しました。
 当日はシリコンバレーの東側にあるオークランドという都市へと接種に行きました。指定された住所を見てみるとスタジアムのそばなので、当然広大な駐車場でドライブスルー接種だろうと思ったら、違いました。歩いて向かうウオークインのため、駐車場にクルマを止めて10分遅れでスタジアム脇の会場に到着しました。
 会場に着くと、地元警察のほか、米国沿岸警備隊など様々な公務員の方が働いていました。ご苦労さまです。驚いたのは私に注射をしてくれたのが、カリフォルニア州の消防士だったことです。私の登録情報をチェックするだけかと思ったら、注射針を出してきて驚きました。接種時にビデオをとっていいかと聞いたら「俺を有名にしたいのか? ならいいぞ」とユーモアたっぷりに答えてくれました。
 米国では州によって異なりますが、医師や看護師のほか、薬剤師や歯科医師、医学生、そして消防士による注射が認められています。スーパーや街中にある薬局でインフルエンザのワクチンを打つのは日常の光景で、気軽に受けています。
 米疾病対策センター(CDC)によると米国では現在約3億3000万人の人口の32.4%と3人に1人が1回もしくは2回目の接種を済ませています。実に約1億人と、現在約100万人の日本の100倍の規模です。ファイザー、モデルナにJ&Jが加わって3社がワクチン開発に成功した供給面だけでなく、実施面でも環境を整備し展開しているのが接種の加速につながっているのでしょう。
 一方、日本では注射が許されているのは医師とその指示を受けた看護師。今はワクチン待ちかもしれませんが、今後供給量が増えた時、希望者をさばくことができるのでしょうか。ワクチン接種の課題も、去年の今頃から分かっていたはずです。国や業界団体は今回のような有事の際だけでも特別対応を柔軟に打ち出せないのでしょうか。ワクチンで救われる命を見極めるべきでしょう。
(シリコンバレー支局長 市嶋洋平)