中国でも、日本のゴールデンウイークと同じ時期に連休があります。労働節(メーデー)連休で、今年は5月1~5日がお休みになりました。好天気に誘われて池でボートに乗ろうかと上海市内の公園に行ったところ、なんと1時間以上の大行列。ほうほうの体で引き上げ、近くのショッピングモールでの食事に切り替えましたが、こちらにも大勢の人が繰り出していました。
 モール内にあった目当ての小籠包店は、お昼時から外れていたのにもかかわらず50分待ちでした。もっとも最近多くの店が導入している順番が近づくと微信(ウィーチャット)で呼び出してくれるサービスにより、モール内を見物しながら時間をつぶすことができたためそれほど苦になりませんでしたが。
 労働節連休の期間中は、上海の有名観光地である外灘(バンド)や豫園をはじめ、中国各地の観光地や高速鉄道の駅などが混雑しているニュース映像が盛んに流れていました。当局の発表によれば、今回の連休中の国内旅行者数は2億3000万人。新型コロナウイルスの影響が残っていた昨年に比べて2.2倍となりました。注目すべきは2019年実績を3.2%上回ったことでしょう。
 「コロナ後」の世界を満喫する中国人たちを見ながら、日本における3度目の緊急事態宣言のニュースを聞くとなんとも言えない複雑な気持ちになります。日本にいる家族や友人の顔を思い浮かべ、一日も早い収束を祈るばかりです。
(上海支局長 広岡延隆)

(写真:ロイター/アフロ)