英国では新型コロナウイルス用ワクチン接種に加え、検査も受けやすくなっています。先日、娘が高熱を出したので、家族全員でドライブスルー形式のPCR検査を受けに行きました。
 会場は車で30分ほどのロンドン郊外にあるトゥイッケナム競技場の駐車場。トゥイッケナム競技場はラグビーの聖地として有名で、私は2019年にイングランド対日本の親善試合を観戦したことがあります。検査会場(上の写真)は来訪者が少なく、ガランと空いていました。
 コロナ対策は徹底しています。窓を開けて会話をしないように、フロントガラス越しに示された電話番号にかけ、目の前の人と電話で話しながら説明を受けます。最後に検査キットを渡され、自分たちで検体を採取する方式ということが分かりました。
 少し離れたところに駐車し、家族全員が喉と鼻の中を拭い、袋ごとに各人のキットを分けます。「他の車に近づかないように」という注意を受けましたが、止まっている車はほとんどありません。出口で係員に全員分の検査済みキットを渡して終了です。
 「検査結果がメールで届くまで24時間、もしかすると48時間かかる」と言われましたが、15時間ほどたった翌朝には届きました。結果は陰性。結果が出るまでの間は隔離しなければならないため、すぐに結果が判明するのは助かります。
 こうした大規模検査とワクチンの大規模接種により、英国の新型コロナ感染者が急減しています。5月17日から飲食店の屋内で飲食ができるようになりました。しかし、インド型変異ウイルスへの警戒が広がっています。25日までに5000人以上の感染を確認し、特に中部のブラックバーンやボルトンで感染が拡大しています。
 ここでも頼みはワクチンです。イングランド公衆衛生庁(PHE)は、ファイザー製とアストラゼネカ製のいずれかのワクチンを2回接種した場合、インド型変異ウイルスに対して英国型と同程度の予防効果が得られることを確認しました。こうした研究結果を受け、英政府はインド型が広がる地域で、2回目の接種を重点的に進めていく方針です。
 イングランド銀行(中央銀行)は21年の成長率を7.25%と予想しています。これは、新型コロナ対策が奏功し、規制緩和が進むことを前提としています。インド型を封じ込められるか否かに、英国経済の行方は左右されそうです。
(ロンドン支局長 大西孝弘)