写真はロンドンにあるビートルズのメンバー4人が並んで歩き、レコードアルバムの表紙にもなった通り「アビーロード」です。世界で最も有名な横断歩道ともいわれ、新型コロナウイルスの感染拡大前はひっきりなしにビートルズファンが訪れ、横断歩道を並んで歩く姿を写真に納めていました。横断歩道を渡ろうとしている人がいれば、車は必ず止まらなければならないため、運転しにくい場所でもありました。
 私はロックダウン(都市封鎖)の最中に、アルバム「アビイ・ロード」を聴きながら、この周辺を散歩することがよくありました。特に後半の「ゴールデン・スランバー」前後のメドレーを聴いていると、散歩の足が捗ります。日本でも在宅勤務が増え、好きな音楽を聴きながら散歩をした人は多いのではないでしょうか。
 音楽配信サービスの市場が急拡大しています。3月23日、英国を拠点とする国際レコード産業連盟(IFPI)は、有料サブスクリプションと広告料を含むストリーミングサービス全体の売り上げは前年比19.9%増の134億ドル(約1兆4600億円)となったと発表しました。2020年末時点で、有料サブスクの登録ユーザー数は世界で4億4300万人に上ったそうです。
 有料サブスクの増加により、世界の音楽産業における収益は2020年に前年比で7.4%増加し、 216億ドル(約2兆3500億円)でした。15年までおよそ20年間市場が縮小していましたが、それから6年連続の増収とストリーミングの普及で音楽業界の景色は大きく変わりました。散歩だけでなく、自宅などあらゆる場所でサブスクを使って音楽を聴いた人は多かったようです。
 特にサブスクではビートルズのような大物ミュージシャンが再生されるケースが多く、その著作権を持つレコード会社の収益を支えているようです。一方で、ストリーミングだと新興ミュージシャンの作品がまとめられたコーナーにもアクセスしやすいので、以前より新興ミュージシャンに活躍の場が広がっているのかもしれません。2021年はロックダウンの間に作られた新しい作品の登場に期待したいと思います。
(ロンドン支局長 大西孝弘)