【メルマガ独自解説】 「私は経営者に向いていなかった」。2021年6月24日。パナソニックの津賀一宏社長は退任した日、記者にそう話しました。在任期間は通例の6年を超え9年でした。同社がプラズマテレビへの過剰投資で7000億円超の赤字を2期連続で計上したさなかに社長に就任。初期は赤字からの脱却に追われ、中盤以降は電池など車載関連事業に注力しました。しかし、30を超える事業を抱えるパナソニック全体を成長に導くための苦労が続きました。 ただ、津賀氏は成長の道筋は示せたのではないでしょうか。パナソニックは21年に楠見雄規氏が社長に就き、翌22年に事業強化を目的として持ち株会社制に移行、パナソニックホールディングス(HD)に変わりました。津賀氏の時代に本格投資を始めた車載電池事業では、イーロン・マスク氏率いる米テスラが今やパナソニックHDの最大顧客となりました。21年には社運をかけて米ソフトウエア会社ブルーヨンダーを累計8600億円で買収しました。 2023年1月23日号の特集「殻を破れ! Panasonic 成長なき40年からの脱却」では、就任後の楠見社長の取り組みや車載電池、ブルーヨンダーの事業などへの挑戦を追いました。約40年間、業績の横ばい傾向が続くなか、楠見社長は反省に立ちつつ、成長へシフトすべく「自ら考える」ことを社員に促しています。一朝一夕に会社は変わりませんがパナソニックHDの改革は始まっています。ぜひご一読いただければ幸いです。 (日経ビジネス記者 中山玲子)
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特集:殻を破れ! Panasonic 成長なき40年からの脱却
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