【メルマガ独自解説】
日経ビジネス12月26日・1月2日合併号の第2特集「書物の知識を血肉と化す 一歩進んだ『教科書経営』」では、経営学の教科書をはじめとしたいろいろな本を実際の経営にどう生かすかを具体的に考察しました。担当者として第一線の経営者や経営学者らに話を聞く中で、いくつか気付いたことがあります。
何よりも驚いたのは、「経営者が教科書となる本を持つ理由」が思いのほか、多様であることです。「本から課題を解決する知識やヒントを獲得する」ケースはそれなりに想像していましたが、それだけではありません。「自分の進む道を教科書によって確認する」ケースや、「本を通じて自分の幅を広げる」ケースもあります。それぞれの話には説得力があり、大きな刺激を受けました。
教科書への姿勢はさまざまですが、共通しているのはそれが実際の経営に確かに生きていること。そこには「本ならでは」と思えることがたくさんありました。改めて「教科書経営」の可能性の大きさを感じています。また、本の選び方や読み方にはそれぞれこだわりがあり、この点でも興味深い取材となりました。
今回の特集は日経ビジネス電子版の連載「会社を強くする『教科書経営』」がベースとなっています。より詳しい内容の記事のほか、電子版オリジナルの記事などもあります。いろいろな本も紹介していますので、ぜひこれを機会にバックナンバーを含めてお読みいただけましたら幸いです。
年末・年始は、多忙なビジネスパーソンも比較的まとまった読書時間がとりやすい時期だと思います。この特集をきっかけにして、ぜひ自分にとっての教科書となる本を見つけ、読んでみてはいかがでしょうか。
(日経ビジネス シニアエディター 中沢康彦)