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 読者の皆様はインドのお酒事情にどういったイメージをお持ちでしょうか。10月24日号の第2特集「世界最大の印ウイスキー市場攻略 サントリー、インドに再挑戦 5年越しのやってみなはれ」の取材では、9月中旬に5日間、インドへ渡航し現地のお酒事情も取材しました。

 宗教上の理由などもあってお酒には厳格なイメージがありますが、実はインドは世界最大のウイスキー市場です。2021年の販売数量2億1600万ケース(1ケース当たり9リットル換算)は2位の米国(8200万ケース)の3倍弱、日本(2000万ケース)の約10倍にもなります。インド国内のウイスキー市場の9割を占めるとされるのは、IMFL(Indian-made foreign liquor)。直訳すると「インド産の輸入酒」で、ウイスキーの場合はスコッチなどの輸入ウイスキーとニュートラルスピリッツ(蒸留酒)を現地でブレンドしたものを指します。

 肝心の味はというと、アルコールっぽさが強く飲みごたえがあるお酒、という印象を持ちました(個人の感想です)。オンザロックで飲むと喉が焼けそうになります。現地の人々はこれを水やソーダ、甘味料の入ったトニックウオーターなどで割って飲むことが多いそう。経済成長が著しい国らしく、世帯年収が日本円で100万円台であっても1000円以上するウイスキーを晩酌で飲む人もいます。

 サントリーはこのIMFLのウイスキー「オークスミス」を19年にインドで発売しました。1度は清涼飲料事業で失敗しながら、2度目はウイスキーで「やってみなはれ」。スタートダッシュには成功しているようです。インド事業を日本や米国に続く新たな収益の柱として成長させられるのか。今後もその行く末を注視していきたいと思います。

(日経ビジネス記者 神田啓晴)