【メルマガ独自解説】
 「可視化(見える化)」という言葉は、かなり以前にブームとなりました。遡ると2010年にユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされています。経営状況を具体的な数値などに落とし込み、「PDCA(計画・実行・評価・改善)」を回していく。その重要性は理解しながらも、いまだに経営の現場では、長年の勘や経験、成功パターンに基づく判断が行われてはいないでしょうか。
 テクノロジーの進化によって、可視化できる範囲が急速に広がっています。この先の販売予測から、経営を揺るがす潜在リスク、職場の人間関係、従業員のスキル、取引相手の感情まで。これまで見えなかったことが、見えるようになってきました。こうしたデータを経営に生かさない手はありません。
 近年、「人的資本」という言葉が注目されています。社内の人材を経営に欠かせない資本の1つとして捉える考え方です。人的資本を可視化して開示することで、企業価値向上につなげようとする企業が増えています。10月24日号の巻頭特集「可視化経営 人的資本もリスクも掴む」では、こうしたトレンドを踏まえ、様々な事例を追いかけるとともに、可視化の極意についても考えました。お役立ていただけますと幸いです。
(日経ビジネス記者 酒井大輔)