【メルマガ独自解説】
 「この冬、ロシアが『サハリン2』からのLNG(液化天然ガス)を止めてこないか。それが一番心配だ」。電力、ガス会社関係者が今、共通して抱えている懸念です。7年ぶりに全国規模での節電要請がされた夏に続き、国はこの冬も節電を求める方向です。以前から日本では原発再稼働の停滞や火力発電の減少で電力逼迫の危機が叫ばれていましたが、そこにロシアリスクという外部要因が加わりました。
 安定供給されている際には、その存在さえ忘れてしまいがちなエネルギー。しかし、世界的な逼迫でエネルギー価格は高騰し、企業や家計を圧迫しています。特集「薄氷のエネルギー この冬を乗り越えられるか」では、現地リポートで日本のエネルギーの現状を追うとともに、史上初の“節ガス”も懸念されるこの冬のエネルギー動向についてまとめました。
 日本は今、「サハリン2」によってエネルギー安全保障の「急所」をロシアに握られる異常事態にあるといえるでしょう。すべての企業、家庭に降りかかるこの問題をともに考える機会にしていただけるとありがたいです。
(日経ビジネス記者 中山玲子)