【メルマガ独自解説】
 日経ビジネス7月18日号の第2特集「日経BPの専門誌が選ぶ 日本の未来を照らす、稼げる革新技術20」は、「日経エレクトロニクス」「日経Automotive」「日経コンピュータ」「日経ものづくり」「日経アーキテクチュア」「日経コンストラクション」という日経BPの6つの技術系媒体の編集長の協力によってそれぞれが注目する技術をピックアップ。ここに識者のコメントを独自に取材して加えることなどによって構成しました。
 企画を進めるにあたって、6人の編集長とそれぞれ話す機会があったのですが、ほぼ共通していたのは、日本の技術はまだまだ世界と十分戦える、と考えていることでした。取り上げた技術の強みにはいずれも確かな説得力があり、日本の成長エンジンとして期待したいと思います。また、いつもはビジネス視点からの取材が多い分、技術視点から取材してきた各編集長の見方には参考になる点がたくさんありました。今後のコンテンツづくりに生かしていきたいと思います。
 識者の取材を通じて感じたのは、技術を生かすにはやはり経営の視点が重要であることです。早稲田大学の藤本隆宏教授は「科学技術の育成の強化」と「企業のマネジメント側の強化」を並行させる両面作戦が必要だと強調していましたし、WiL共同創業者兼CEO(最高経営責任者)の伊佐山元氏は「技術でどうビジネスをしていくか、という視点を一層取り込んでいく必要がある」と指摘していたのが印象的でした。また、国立情報学研究所の佐藤一郎教授は「大切なのは、技術開発が最終的にサービスを良くするためのものだと気づくこと」と具体的な提言をしてくれました。
 技術と経営、両方の視点から、今後もしっかり考えていきたいと思います。
(日経ビジネス シニアエディター 中沢康彦)