【メルマガ独自解説】
 皆さんは腕時計を身に着けますか? スマートフォンで代用する人、着けていてもスマートウオッチという人が増えている印象です。デジタル化の進展に国内では人口減少も重なり、時計メーカーは試練の時を迎えています。
 創業141年を迎えたセイコーホールディングスは5月、「ソリューションカンパニー」への転換を打ち出しました。顧客や社会の課題を解決し、必要とされ続ける会社になる――。7月4日号の第2特集「老舗セイコーが挑むDX 脱・時計頼みで第2の創業」では、そんな理想像を体現するIT(情報技術)子会社のノウハウや考え方を、グループ全体に浸透させようとするセイコーの今に迫りました。
 「いつまでも『セイコーは時計のブランドだ』と言われていては困る」。取材では経営層からこんな声が聞かれました。2022年3月期の連結営業利益でも全体の4割強を占めるなど、ウオッチ事業は稼ぎ頭。将来、世間からセイコーが「時計の会社」ではなく何の会社と呼ばれているのか、注目したいところです。
 その半面、取材や製造現場の見学を通じ、個人的には時計への関心も高まりました。職人が手作業で精密部品を組み立て、厳しい品質検査を経て高級腕時計「グランドセイコー」が出来上がる様子は圧巻。11年間同じ腕時計を使ってきましたが、「なぜ、時計も着替えないの。」というかつてのセイコーのコピーにも背中を押されそうです。
(日経ビジネス記者 生田弦己)