カブクスタイルは「“旅のサブスク(リプション)”で業績を伸ばすスタートアップ」として注目を集めています。同社は外資系金融機関で投資関連業務に携わっていた砂田憲治氏と大手広告代理店でPR業務などを担当した大瀬良亮氏が2018年に立ち上げました。
 ビジネスモデルや組織づくりなどさまざまな面でユニークさが目立ちますが、根幹にあるのはサブスクという仕組みをどう生かすか、です。共同創業者の2人がサブスクで参考にしているのが、意外なことに異業種の米ネットフリックスだそうです。
「ネットフリックスは映像配信サービスのサブスクによって、それまでの映画館やレンタルビデオ店に通っていた時代よりも、多くの映画を見る習慣を生み出している」と2人は見ています。同様に旅のサブスクによって「それまで旅に出なかった人が旅に出たり、旅の頻度が上がったりするのではないか」と考えたのが、旅行業で起業するきっかけになりました。
 ただ、旅行業の経験は2人ともなかったため、創業時は提携先の開拓を、足で回る営業から始めました。「顧客として宿泊し、自社のサービスに合うと分かったら、提携の交渉を始めることもよくあった」と聞きます。最近は知名度の向上によって宿泊施設からの売り込みが増えているとのこと。アフターコロナが進む中、今後の事業展開に注目が集まります。ぜひ6月27日号の「戦略フォーカス」の「“旅のサブスク”で未開拓の需要を発掘」をお読みください。
(日経ビジネス シニアエディター 中沢康彦)