【メルマガ独自解説】
 検索サイトのYahoo!JAPAN、メッセージアプリのLINE。これらのサービスをほぼ毎日使われているという人は多いのではないでしょうか。
 ヤフーなどを傘下に持つZホールディングス(ZHD)とLINEという巨大なIT(情報技術)企業同士が2021年3月に経営統合し、新生ZHDが誕生して1年以上が経過しました。ヤフー、LINEに加え、ZOZOTOWNや出前館、PayPay、アスクルなど、誰もが聞いたことがあるようなブランドが同じグループの中に存在しています。
 ただ利用者としては、経営統合で何かが変わったと実感する場面はそこまでないように感じます。川邊健太郎社長が「(統合作業は)まだ緒に就いたばかり」と言うように、本格的に統合の効果が出てくるのはまだ先のようです。
 とはいえ足元を見てみれば、両社が一体となった取り組みも増えています。その一つが6月13日号の第2特集「Zホールディングス、未完の『Z経済圏』 EC首位への難路と勝算」で取り上げたEC(電子証取引)事業。最短15分での即時配達の取り組みなど、経営統合した2社の力を集結し、それまでのZHDのEC事業の隙間を埋めるような事業も始まっています。
 これまでもM&A (合併・買収)などで新たな力を加えて大きくなってきたZHD。先を行く楽天グループや米アマゾン・ドット・コムとの差は大きいものの「2020年代前半の物販EC国内ナンバーワン」を目標に掲げるなど、さらなる成長を目指しています。
 経営統合の効果を今後どのように生み出すのか。私たちの暮らしに身近なサービスを抱えているZHDの行く先にご注目いただければと思います。
(日経ビジネス記者 藤中潤)