【メルマガ独自解説】
 40代半ばの私は「焼そばU.F.O.」を食べて育った世代です。日清食品のインスタント食品は幼少期から暮らしに溶け込んでおり、そのブランドの強さを特に意識したことはありませんでした。しかし、多くの消費者が「日清(NISSIN)」のロゴに食欲を刺激される理由を改めて取材すると、創業者の安藤百福(ももふく)氏をはじめとする安藤家3代の執念の歴史が凝縮されていると分かりました。日経ビジネス5月30日号特集「日清食品3代 破壊の遺伝子」では、安藤家の経営にフォーカスを当てています。
 特集タイトルに含まれる「破壊」の対象は社会や会社を取り巻く常識やしがらみです。日清食品ホールディングス社長の安藤宏基(こうき)氏は、「打倒!カップヌードル」と掲げて父・百福氏に挑みました。そして焼そばU.F.O.を含む数々の新商品を生み出し、日清食品をグローバル企業に成長させました。宏基氏の長男である日清食品社長の安藤徳隆(のりたか)氏は、三大栄養素のバランスを調整するとともに、33種類の必須栄養素をまんべんなく含む「完全栄養食」の開発を指揮。「もう1つ日清食品をつくる」と意気込んで新たな食文化の創造に挑んでいます。
 安藤家の経営者たちはなぜ、先代に挑みながら事業を拡充できるのか。特集はその深層に迫りました。事業継承は多くの経営者が頭を悩ませる課題です。日清食品を率いてきた宏基氏、徳隆氏の考え方や、同社の仕組みを理解することで、課題解決のヒントをつかんでいただけたらうれしく思います。
(日経ビジネス副編集長 江村 英哲)