【メルマガ独自解説】
 「モデルナはなぜこんなに早く新型コロナウイルスのワクチンを開発できるのだろう」。同社の驚異的な開発スピードへの疑問は、パンデミック(世界的大流行)が起きた2020年初頭の頃から抱いていました。
 通常のスタートアップは、起業家がまずビジネスアイデアを思いつき、仲間を集めて起業。ベンチャーキャピタル(VC)などの投資家に熱い思いをピッチし、資金を調達しながら事業を徐々に大きくしていきます。ところがモデルナの場合、全く違う道筋をたどっていたことが調べを進めていくうちに分かってきました。
 米国に住んでいると、ステファン・バンセルCEO(最高経営責任者)がテレビ番組に登場しているのをたまに見かけます。そのためか「バンセル氏が立ち上げた会社なのだろう」と思い込んでいたのですが、実際は全く別の人が起こし、バンセル氏は後から「プロの経営者」として招かれていたことが判明。しかも事業の発案者であるヌーバー・アフェヤン氏は、数多くのバイオベンチャーを生み出しているVC(ご本人はVCではないと話しています。具体的には3月7日号の第2特集「モデルナの革新を生む勝利の方程式 「未来のニーズ」を逆算」をお読みください)で、さらにビジネスの種を発案して事業化するまでには独自の「革新の方程式」があるというのです。もうこれは取材しないわけにはいきません。
 何度もしつこく(笑)取材を申し込み、創業者とCEOの双方の取材がかないました。お二人とも、テレビでお見受けするよりもずっと気さくですてきな方々でした。ぜひ彼らが編み出した革新の方程式を御社の事業化のヒントにしていただければ幸いです。
(ニューヨーク支局長 池松由香)