【メルマガ独自解説】

 12月20日号の第2特集「経済再生の大敵 日本を覆う不安心理 解消に必要な『物語力』」では、日本人の不安心理を徹底的に分析しました。
 「ちゃんと年金はもらえるのだろうか」「大病を患ったらどうしよう」。そんな不安から貯蓄に走る人が増えています。
 可処分所得に占める貯蓄の割合は、2019年に1世帯当たり平均32.1%となりました(2人以上の勤労者世帯、総務省調べ)。十数%で推移していた1980年代のバブル期から大幅に増えています。良しあしは別にして、人々が消費を大いに楽しんでいた当時とは隔世の感があります。
 今回、記事を書くにあたって取材したファイナンシャルプランナーで、Money&You(東京・文京)取締役の高山一恵氏の言葉が印象的です。
 「『何とかなる』と将来を楽観視している相談者は、資格を取るためにバンバン自己投資したり、人脈を広げるために人と交流したりして、積極的に消費しています。そういう人こそ、数年後会うと好待遇の会社に転職して成功していることが多いですね」
 逆に将来への不安にかられて貯蓄ばかりしていると、実際に不安な将来を呼び寄せてしまう「予言の自己成就」と呼ばれる現象を記事では紹介しています。
 記事を読めば、人生を楽しんだり、自己研鑽(けんさん)のために消費したりすることも大切だということが分かっていただけるはずです。あなたの貯蓄が適正な規模かどうか、今一度考えてみてもいいかもしれません。
(日経ビジネス記者 吉野次郎)