【メルマガ独自解説】
 航空会社のビジネスモデルは長い間、変わってきませんでした。極論を言えば、機材を調達し、空港の発着枠を押さえた上で、パイロットなどの人手を確保すれば商品は出来上がります。これは戦後、日本の民間航空の歴史が紡ぎ出され始めた70年前も同様です。航空会社のビジネス上の打ち手は限られ、結果、似たような施策を各社が取ることになります。
 コロナ禍でも需要減に対応した減便、人件費削減のための外部出向など、ANAホールディングスと日本航空(JAL)はそろって同じような施策を打ち出し、再成長に向けてもLCC(格安航空会社)やマイレージ関連事業の強化など共通した打ち手を取らざるを得ませんでした。
 「こうして見てみると、2社でこんなに違いがあるんですね」。日経ビジネス電子版で先行連載した11月8日号の特集「コロナ禍で消えた航空需要 ANA・JAL 苦闘の600日」の記事を読んだ航空大手の関係者が口にした言葉です。外側から細かく動向を追ってみると、共通しているようにも見える戦略の裏には、実は大きな考え方の違いがありました。大手2社がコロナ禍を受けて何をしてきて、これから何をするのか。その背景にある両社の考え方、思いとは。コロナ禍は航空会社の経営手法を変えるきっかけになるかもしれません。
(日経ビジネス記者 高尾泰朗)