【メルマガ独自解説】
 今年9月に発足したデジタル庁の国際戦略統括を務める座間敏如さんに聞いた話です。ベルギー人の友人とDX(デジタルトランスフォーメーション)について話していた際に、ベルギー政府から届いた通知を見せてもらったそうです。友人はスウェーデンの大学の教壇に立っていて、スウェーデンでの滞在日数があと何日増えると同国でも税金の支払いが発生する。その額はこれぐらいの金額になる、という内容でした。とても便利なサービスです。国に年収や国外での滞在日数が把握されて気持ち悪いと感じる人はいるかもしれませんが、少数派ではないでしょうか。
 DXには、痛みが伴います。単なるデジタル活用やデジタルへの転換ではなく、現場での業務のありようや、人々の生活を変革する必要があるからです。DXが進んだ世界の全体像を丁寧に示さなければ、「なぜ今までのやり方を変えなければならないのか」と反発が生まれるのは当然です。
 10月11日号の特集「乗り越えろ DX 10の壁」では、DXを進めようとする際にぶつかりがちな「壁」を取り上げました。小さな成功が大きな変革につながると信じて、DXに関わる記事を書き続けていこうと思っています。
(日経ビジネス記者 鷲尾 龍一)